「自然素材による伝統と現代の融合をコンセプトに、入り口から店内にかけて
伝統的な木組み構造を使った。木組みは、1.3~1.4mの杉材4本で組まれ、
使用した杉材2000本。木組みが壁、天井に張り付き建物の構造を支え、
木組みそのものがデザインとしてのインパクトを持つ」
というのが、隈研吾氏の解題<商業施設新聞より>であります。
やっぱりツアーで歩くと、いろいろな建築を見たい。
先般九州を歩くとなって、いくつかの建築を挙げていたのですが、
最後の日、福岡空港までの時間を太宰府天満宮に向かって行く道すがら
やはり有名なこのショップに足を向けておりました。
北海道大樹町にLIXILが入手した元牧場施設「メムメドウズ」があります。
そこで隈研吾が監修し世界の建築の学生たちに習作デザインを競わせている、
LIXIL国際大学建築コンペ。その先生によるモデルとして、隈研吾設計の
「メムメドウズ」がありすでに数回見学。アイヌチセにインスピレーションを得て、
北方民族の原初的住宅を現代素材で作ったもの。
このブログ、バックナンバーでも書いています。
http://kochihen.replan.ne.jp/blog2/?p=6910
この施設が契機になって隈研吾作品に興味を持って見ています。
どうも隈さんは相当たくさん作品を作っているようで、
日本全国、ここにもあそこにもと、見て回る機会が多いです。
いまは国立競技場が建設中で、工事は突貫のようですが、
出来上がるのが楽しみといったところ。
そのコンセプト案でも、木組みがどうやらポイントになっているようで、
北海道のカラマツ材が相当使われるというように聞いていますが、どうなるか。
で、このスタバ太宰府店であります。
商業店舗としては相当成功しているような賑わいぶりで、ご同慶の至り。
太宰府天満宮の表参道目抜き通りの中程に位置していて、
だいたいの観光客は足を止めて、スマホをかざしていく。
メッチャ混んでいて、人並みに押されるウチに中にまで入ってしまった。
ということで、内観まで撮らせていただいた次第。
ただ、店舗のカウンターにも長蛇の列で飲み物の注文は諦めた(笑)。
で、木組みであります。
わたし自宅でも、写真のように26年前に格子天井をやっていまして、
好きなんですが、一方この施工の大変さはよくわかっている(笑)。
わが家の場合、コンクリートスラブの天井から鉄筋を下ろしてきて
それに格子の木組みを緊結させる方法を取った。
大きな木組みを面材にして、くっつけたのですね。
この隈研吾さんの場合には、どんな手法だったのか。
「1.3~1.4mの杉材4本」というワングリッドを多数連結させているようですが、
その木組み方程式というか、順列組み合わせをどのような「指示書」でやったか。
この木組みでは、けっこうランダム風にも見えるのだけれど、
それでは現場が混乱するだろうし、隈さんが立ち会って
「あ、そこはこうやって、こっちはこうさ・・・」みたいに現場で感覚的に仕上げたのか。
出来上がった空間はなんとも、胎内的感覚があって惹き付けられる。
それこそ中国人観光客や欧米系もニッポン人も、みんな一様に吸い寄せられる(笑)。
太宰府天満宮という観光スポットにあるのですが、
本体よりも、勝るとも劣らない「集客力」を見せつけておりました。
う〜〜む。やっぱ、いいねこれ。
Posted on 8月 16th, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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