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【遠くへ行きたい、ニッポンで】

わたしは少年期の時から、ずっと南方への憧れをカラダに焼き付けてきました。
わが家は札幌市の幹線道路である「石山道路」に面して建っていて、
その道を通って小学校・中学校に通ったのですが、
通学路は必ず「南下」する方向にあたり、「この道をまっすぐに行くと、
やがて函館に至り、そこから海峡を越えれば温暖なニッポンがある」と
そんな妄想をずっと抱きながら成長していた。
日本は南北に長大な国で、同じ言語が通じる空間世界が
ここから3000km以上にもわたって広がっていることに
踊るような胸の高鳴りを憶えていた。
遠くに行きたい、と思っていたけれど、
寒冷地・北海道ネイティブである人間にとって、
やはりそのルーツの世界であるニッポンに、強く惹かれていた。

そんな自分からすると、まことに「すれ違いの相思相愛」のようなデータ(笑)。
そういう憧れのニッポンでは、北海道が調査開始以来、
「都道府県の魅力度ランキング」で8年連続で不動のナンバーワン。
まぁ、日本という情報空間共同体の中では、
有史以来、北方への領域拡張、国のキワへの憧れがあったのでしょう。
王朝時代の多賀城国府とか宮城野とかの
北方限界への強い民族的思慕の感情が、明治以降、
そのイメージは北海道が地域として相当し続けてきている。
ロマンチズムというのは、人類史的にも根強くひとをとらえて放さない
非常に根源的な想念だそうですが、
どうも日本社会ではこれがメインカレントなのでしょうね。
一方の北方ネイティブのわたしのようなロマンチズムは、ごく少数派。
日本文化の中では、こういう少数派はごくめずらしい存在なのでしょうね。
そういえば、北東北は地域としてシャイなところを感じますが、
北海道というのはあんまりそういった地域に根ざしたような
そういったシャイさはなく、開放感はあるように思います。
東京時代、どんなに言われても北海道の言葉訛りを気にしなかったけれど、
東北のみなさんは訛りを気にされる方が多かった。
まぁこんなデータを見ていて、
少年期以来、日本中を歩き続けていることを思い起こします。
まだ一歩も足を踏み入れていないのは、ほぼ鹿児島県だけ。
あと、鳥取県と山口県もやや怪しいのだけれど、
それぞれの地域への感覚はそれぞれにあって、
そのどれもが、少年期に抱いた思いとラップしてピンナップされている。
このデータで最下位ランクを争っている北関東地域など、
「あんないいところ、なんでさ?」という思いが強い。
たぶん多くのみなさんとはちょっと違う感覚でデータを見ております。

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