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【知の人類史視点潮流〜「サピエンス全史」】

秋田でバスを待つ間、時間が少しあったので、
久しぶりに本の状況を見てみたいと、駅前の宮脇書店さんに立ち寄り。
やっぱり、一覧表示の書店店頭というのは情報力がある。
さまざまな出版情報と、ひとびとのそれへの反応がうかがえる。
仔細に目をこらしていれば、情報が転がっていますね。
いつもパソコンに向かって「探求する」「作る」ばかりに向かうけれど、
このように「感受する」情報世界もバランス上、欠かせないもの。

で、やはりまっすぐに目に飛び込んできたのがこの本でした。
「サピエンス全史」というベストセラー本であります。
昨年に上梓された本で、著者はイスラエルで歴史研究している方。
まだ購入してから3日で、出張から帰って業務が山積しているので
上巻の1/4くらいしか読了していません。
しかし、わたしのこのブログで触れていた「人類史のなかの定住革命」の
読書体験が伏線にあって、感応するところがきわめて大きい。
わたしがなぜ「人類史のなかの定住革命」に大きく惹かれたか、
ということと、このいまの「サピエンス全史」のベストセラー化は、
現代という時代の知の潮流として、深く同意できるものがある。
現代はやはり、相当に大きな転換点であって、
その転換の規模を推量するには、人類史的観点が不可欠になって来た、
そういった状況を表しているのだと思うのです。
人類史的見方、把握がどのような領域においても必要になってきた。
それは大きくはインターネットによって、知の巨大な流動が起こり、
枝葉末節の「知識」偏重型の「知」は、どんどん衰退してきている。
いわんや、暗記偏重のような「歴史」は
インターネットによって超克されてきている現実を表しているのではないか。
歴史は、各時代ごとに「専門領域」として分かれているのだそうですが、
そういう「答え」の明確な「事実の積層」自体に本質はなく、
もっと根源的な、なぜ言葉が生まれたのかとか、
現生人類だけが持った根源的なバーチャルである、
国家や宗教とかはなぜ生起してきたのかとか、
人類史スパンでなければ解明できない「未知」が見えてきた。
そんな歴史学では見通せないようなスパンでの「転換期」には、
巨視的でシンプルなものの見方が必要なのでしょう。

住宅や断熱のことを考えるのがわたしの仕事領域だけれど、
そこでも、そもそも人間はいつころから自分の体温と
外界気温との調整をはじめたのか、
「衣類」はいつから始まったのか、と考える方向性がむしろ自然でしょう。
そしてさらに定住という言葉通り、住宅の起源もハッキリ見えてくる。
現代の住宅と先行きを考えるなら自ずとそういった起点認識になる。
そんなことを思いながらも、仕事に追われて読書は進みません(泣)。

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