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iPadと電子出版

アップルからiPadが発表されてから2ヶ月ほどが経って、
アメリカでの発売に続いて、日本でも4月には市場投入が発表された。
ところが、不思議なことにアメリカでは盛んにいわれていた
「電子ブック」閲覧機能について日本でのアナウンスはきれいに消えていた。

アップルのiPadについては、さまざまな機能が仕掛けられています。
出張時などの携帯用パソコンとしての簡易性。
ゲーム機としての大型サイズ液晶画面の迫力。
そして、もっともわたしたち出版界にとって大きなポイントは
「電子ブック」閲覧機能という側面なのですね。
アメリカでは出版、雑誌業界から非常に大きな期待が寄せられています。
既存のAmazonのKindle端末が、電子書籍にフォーカスして
広告を除外して表示されているのに対して
アップルのiPadでは、まことに雑誌に適した表示方法が示されているのです。
ビジネスのシステムでも、AmazonのKindle端末と比較して
はるかに出版社側にメリットがあるようで、
非常に期待感が高まっているのですね。
まもなく開始されるアメリカでのサービス開始の様子が伝わってくれば、
こういう側面も大きく伝わってくるものと思われます。
ところが、つい最近表示されたアップルのサイトでも
電子書籍ダウンロード購読閲覧機能については、表現されていません。
これは、どのようなことを表すものでしょうか?
まぁ、残念ながら、日本市場の閉鎖性を端的に示しているのでしょうね。

アメリカなどでは、日本の出版流通システムのような機構は存在せず、
簡易な流通システムになっていますが
たぶん、このようなシステムの違いが現れているものと思います。
アップルのサイトから、iTunesのような電子出版物ダウンロードサイトが
アナウンスされて、ユーザーは電子上の「書店」で
出版物を購入する。
そうなると、流通は大変シンプルになって
読みたいときに、好きなようにダウンロード購入ができるようになる。
で、課金はアップルしか介在しないことになる。
これでは既存の流通システムはたまったものではない。
たぶん、こういう事情が大きな障害物になって
さすがのアップルでも、日本市場では時期尚早と判断したものでしょう。

当面の間は、こういう状況で推移せざるを得ないのでしょうね。
ただ、やがてこういうことは必然的に変化が起こっていくでしょう。
そういうときのために、わたしたち出版側は
電子出版という形式について考えていかなければならないと思っています。
どのような変化が起こっていくのか、
注意深く観察していかなければなりません。
<写真は皇居のいくつもある門のひとつ。重々しく狭き門ですね(笑)。>

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