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【くわいを食べる 北の移民DNA的食記憶】

わたしは広島県から北海道に100年ほど前に渡ってきた移民3代目。
父親は広島県で出生し墓をどうするか悩んだ末、結局北海道に「骨を埋めた」。
そのときに祖父の遺骨の一部を分骨して、いっしょに墓に入った。
なんですが、わたしはなんの迷いもなく、ネイティブ北海道人。
そういった出自の経緯に関するこだわり、残滓はあまりない。
しかし、やはり自分のDNAに対しての「体験記憶」には興味を持つ。
北で生まれた移民の末裔たちは、こんなことに引きずられる。

年末、京都の料理屋さんで食べた「くわい」。
その素朴でほっこりとした食体験を通して、
広島県が主要産地であるというこの食べ物に興味を抱いた。
食べたら、なにか懐かしさの感情が湧いてくる感じがしたのですね。
自分は食べたことははじめてだけれど、
ミッシングリンクを感じたとでも言えるでしょうか。
まぁ自分の趣味・興味もあるので、自然とも言い切れない感覚かなぁ。
でもそんな一種の民族ルーツ的ソウルフード感覚を持った。
その後、京都の錦小路商店街で売られていたのを見たし、
先日北海道長沼の道の駅内の青物店でも遭遇したのです。
芋の一種ではあるのでしょうが、まず北海道では食習慣にはない食べ物。
そういうものがごく当たり前に「おばんさい」として京都では食されている。
そのあたりのタイムスリップ感が面白かったのです。
以下、Wikipediaの項目「クワイ」から抜粋。
アジアをはじめ、ヨーロッパ、アメリカの温帯から熱帯に広く分布する。
野生種は東南アジア原産とされているが、栽培品種は中国で作られた。
日本へは平安初期に中国から伝来したという説、
16世紀に朝鮮半島より伝わったという説がある。
クワイの栽培品種は青藍色の青クワイ、淡青色の白クワイ、
小粒の吹田クワイの3種類があり、いずれも水田で栽培される。
葉は矢尻形をしており原種のオモダカに比べ、塊茎の大きさが大きくなる。
3種類の中では吹田クワイが最も野生種に近い。
日本での主流は青クワイで、ほくほくとした食感が特徴である。
白クワイは中国での主流であり、シャリシャリとした食感が特徴。
クワイはデンプン質が豊富で栄養価が高く、100グラムあたりのカロリーは
126キロカロリーとサツマイモに近い。
日本と中国では塊茎を食用とし日本では「芽が出る」縁起の良い食物とされ、
煮物にしておせち料理で食べられる習慣があるため、
世界でも日本でもっとも普及している。塊茎は皮をむいて水にさらし、
アクを抜いてから調理する。シュウ酸を含むので茹でこぼすのがよい。
ユリ根に似たほろ苦さがあり、煮物ではほっくりとした食感が楽しめる。
広島県福山市が日本の生産量の8割を生産。

っていうことで、最後のあたりの記述で
家系の出自に近い地域が出てきて、さらに父親が農家だったとき、
北海道で「ユリ根」の栽培に取り組んで、大阪の市場に出荷していた
という、わたしにとってはすでに「故事」を思い出した。
食物が想起させてくれる妄想の世界、いっとき浸っておりました。

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