ことし春、東京出張の折りに前から気になっていた
「江戸東京たてもの園」(小金井市)に行ってきました。
北海道・東北と住宅を通して取材を繰り返している毎日。
北方圏ばかりではなく、
日本の中心、関東の家に関心が高くなってきたのです。
もちろん現代の住宅の造られようにも関心は高いのですが
それよりも、もう少し前の、現代に至るちょっと前の建物を、
いま見ておきたかったのです。
ここでは、農家の家や武家の家、商家など幅広い江戸期の建物から
現代のスタートといえる、戦後すぐの時期の建物まで
現物が移築保存されています。
楽しく写真撮ってきたので、それをのっけながら感じたことを、と思います。
最初は、日本近代建築の大御所、建築家・前川國男邸です。
やっぱ飛び抜けて綺麗な家で、豊かな緑の背景にマッチしていました。
大きな三角屋根と、その妻面が大きな開口になっていて、
内部からは障子がその開口いっぱいに設えられています。
白い壁と、ダークな深い茶色のコントラストで室内が構成されています。
戦時体制の中、すくない建築材料を使いながら、設計されていますが
居間には、セントラルヒーティング暖房が設置されていました。
風呂に隣接する場所には、暖房システム本体も。
現代住宅でも、ほとんど室内温熱環境への配慮が乏しい関東以南地域ですが、
むしろこうした時代でも、きちんと考えればこうした配慮、当然なのですね。
納得した次第。
でもやっぱり、関東に行くと
ここはなんて豊かな地域なんだろうと思わざるを得ません。
この家が建てられた時代背景を考えながら、なおこうした住宅建築が可能だった、
という点で、やはりそこに日本の富の過半が集中しているという関東の
一極集中的な富の偏在を思ってしまいました。
いなかものの、ひがみなんでしょうか、ね?
Posted on 12月 8th, 2005 by replanmin
Filed under: 古民家シリーズ, 歴史探訪
前川國男建築展
この前に日曜日、東京ステーションギャラリーで開催中の前川國男建築展に行ってきまし
初めまして、
前川國男邸の検索でたどり着きました。
興味深く拝見しました。
トラックバックさせて頂きました。
これからもブログ、楽しみにしております。
前川國男邸
日本を代表する建築家、前川國男氏(1905〜86)の自邸です。 [ Cubic…