畳って、ほんとうに日本人に似合った床材だと思います。
人類の中でこういう床材は、日本人しか完成させなかったオリジナル。
そのいかにも生物起源的な質感、肌ざわりは、
日本人の精神感受性の相当の部分を形成してきたと思う。
なんですが、どうもその起源については定説がないのでしょうか。
わたしの想像では、上の写真のように土間に寝ワラを敷いて
寝具として使っていたのが、起源のように思われてならない。
先般の古民家の歴史探訪みたいなシリーズで
民家の発展は、竪穴から土壁へと変遷したと思われるのですが、
いずれにせよ、「土間」が基本の床であったことは疑いがない。
石器時代から縄文時代にいたって、定住が開始して、
基本的に竪穴での居住生活が始まった。
そこではもちろん基本は土間だったに違いない。
でもそこでは雨の日など、湿気対策が不可欠だったに違いない。
その周辺環境では、葦とかの植物を乾燥させて使っていたと思う。
で、その後、稲などの栽培が基本ライフスタイルになって
弥生が開始したと同時に、下の写真のように稲ワラが大量生産された。
それを土間に敷き込んで寝具としたことは自然な流れ。
こういった繊維系寝具の時代が基本的に存在し、
そこから主に「湿気対策」が考えられた結果、
徐々に土間から板の間に床が変化していった。
そのときに、板の間での寝具として、稲ワラを造作加工して、
カーペット状のムシロが生まれてきて、
それを寝具として使ったけれど、使わないときは部屋の隅に「たたんだ」。
それが直接の原型になって、徐々に肉厚になって
現在の畳という日本独自の床材になっていったのではないか。
まぁ、あまりにも基本的で普遍的なものなので、
その起源について証し立てるものもないワケなので
これだという説の証明は不可能だと思いますが、
常識的に考えれば、このような発展形態が自然なのではないでしょうか?
寝ワラにくるまれて気持ちよさそうなヤギさんを見ていて
こんな妄想をたくましくしておりました。
出張が長くなるので、こういう「安息」が羨ましくもあった(笑)。
Posted on 10月 8th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅性能・設備
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