きのうのリスさんの観察ではありませんが、
気配を消して見ているうちに、大きく世界の情勢変化が出てきた。
きのうイギリスのEU離脱を問う国民投票の結果が出た。
1週間ほど前には残留派の議員がテロで殺されたりしたし、
直前には僅差ながら残留派が勝利するという世論調査結果も出たので、
現状の世界の主要カレント・金融グローバリズムの側からは、
やや安堵感にも似た雰囲気が流れていたけれど、
僅差ながらも逆の結果が出たことで、
情報社会の負の側面が一気に出て、円や日本の市場は大混乱に直面した。
東西冷戦構造の崩壊から、資本主義市場世界の拡大、
中国をはじめとする発展途上国の資本主義市場への参加・登場、
それらが総合されて、グローバリズムが世界を覆ってきた流れが、
どうも、既存体制のリンゴのコアから逆流を見せ始めたように思う。
分離独立主張を内在的に持っている英国北部地域・スコットランドで
なんとアメリカ大統領候補・トランプが
英国民のEU離脱という選択に対して、歓迎声明を発するという
なかなかしたたかな政治センスをかいま見せる対応を示した。
これまでの世界の中での枢軸国家である米英が
いまむしろ孤立主義、反グローバル、ナショナリズムの姿勢を見せたのは、
なにごとかのはじまりを感じさせる。
民族国家という伝統的価値感が、世を覆うグローバリズムと衝突しはじめた。
それをむしろ主導してきた国のなかの「負け組」の心理をすくい上げて、
ナショナルポピュリズムが沸き上がり、混乱の幕を開けてしまった。
いまのところ、そんな評価がこのEU離脱について湧いてきている。
問題はもうすでに開いてしまった幕であるこうした混乱が、
これも情報社会としてグローバルに急速に世界を覆っていくこと。
金融をはじめとした混乱状況に対して、
日本でもさっそく麻生さんが危機感をあらわに示す対応を見せたし、
先のG7での自国の主張がさっそく現実化したと、安倍さんも対応している。
大幅な下落に見舞われた日本株、一気な円高が襲ってきている。
ことは基本である経済であり、それは同時に安全保障にも緊密に関わる。
まさに未知の領域に世界は突入してしまったといえるのでしょう。
この流れが世界を一気に飲み込んでいくとすれば、
アメリカではトランプが大統領になる可能性が高まってくる。
孤立的ナショナリズムを呼号しているかれの主張がアメリカの戦略になれば、
対日関係においてどんな変化が出てくるのか、発言からの流れとしては
むしろ日本に対して核武装を強制するような動きが出てくることも
ありえる事態として、考えていかなければならない。
そのときに想定を超える国際関係の変化が生じていくことになることを
当のトランプ自身、本当に自覚しているのかも不明。
どうも戦後世界体制というものが、
大きく変化していく可能性が高いと思わざるを得ません。
そういう世界の中でどんなふうに国の経済と安全保障を保っていくべきか、
参議院選挙真っ盛りですが、日本の進路についてのわたしたちの選択は、
世界の中でも一定の意思表示ポイントになっていくのでしょう。
否応なく、日本としての「国家戦略」について、民主主義らしく
国民自身も考えていかなければならない時代に突入するのかも知れません。
しかし伝統的に一国平和主義に覆いつくされている日本人は、
そういう世界性のある意思表示を示すことがはたしてできるのでしょうか?
<写真はわが社のヤマボウシ・ツツジとハナミズキ>
Posted on 6月 25th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 状況・政治への発言
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