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751年創建 世界遺産・仏国寺参拝

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仏教というのは、東アジア世界の社会発展の歴史に於いて
きわめて重要な歴史要因であったと思います。
権力がなぜ必要なものであるかということを
民衆に納得させるのに、世界宗教としての仏教は
大いに役割を果たしてきたのだろうと思います。
奈良の都創建のころの、鎮護国家思想はそうしたことを伝えている。
しかし中国においては歴史的になんども時の権力が廃仏令を発して
そのたびに寺院建築が危機に陥ってきた。
天台宗3代座主・慈覚大師円仁さんの入唐記には、
この廃仏令をリアルタイムで体験した様子が記録されている。
現代の共産党支配のなかでも、苦難の歴史をたどり、
ようやく近年になって、復興の気運が盛り上がってきているとされている。
歴世、権力者にとっては現世での自分の権威と相克するものと
仏教を捉えてきた結果だと思われます。
韓国に於いても、その経緯はにたような部分があり、
中国皇帝の意向を忖度するかのように何度も廃仏令が出されてきたとのこと。
ひとり日本社会のみが、いまあるように仏教寺院に保護を加えてきたのは
ある意味で奇跡的であると思います。
中国社会が易姓革命思想で前時代を徹底的に否定する歴史であるのに対して
日本社会では、易姓革命のもとである皇帝、日本では天皇であるけれど、
その天皇に「姓」がないとされる。
姓がないから、権力者の姓が変えられないということで易姓革命が起こらない。
なぜこうした知恵を働かせたのか、いまとなってはナゾとしかいえないけれど、
繰り返された中国での王朝交代の社会混乱から亡命してきて
帰化人となった中国社会の知的エリートたちが、日本国家権力機構に
こういった仕掛けを施したのではないかと想像しています。

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日本の法隆寺が建立されたのが、韓国の仏国寺に100年ほど先んじている。
たぶん統一国家の形成が、新羅が事実上初めてだったことに由来するのか。
しかしこの仏国寺も、何度も廃仏令が繰り返されてきた。
その上、秀吉政権の無謀きわまりない侵略行為で
この寺院は焼失もしたのだという。
その後、日本統治時代に復元調査が行われ、
1970年代になって、ようやく現在の寺院伽藍が再建されたそうです。
多くの韓国人、中国人のみなさんに入り混じって、
ひとり般若心経をつぶやきながら、礼拝させていただいていました。
そうしたら「無説殿」という建築では、その中にまで入らせていただけました。
謹んでもう一度、般若心経を唱えさせてもらいました。
上の写真のような曼荼羅図、ではないと思われる仏教画の前で
静寂ないっときを過ごさせていただいた次第であります。
南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)と念じたのですが、
これはそういえば真言宗の御宝号(ごほうごう)なので、
このお寺さんは、禅の曹渓宗だそうで、ちょっと間違えたかも・・・(笑)。
申し訳ありません、許して下さい、異国の仏様・・・。

One Response to “751年創建 世界遺産・仏国寺参拝”

  1. […] とを書いたので 隣国・韓国の同年代、751年創建という世界遺産・仏国寺のこと、 以前2016年3月13日にもアップしましたが、 写真をチェックしてもう一度、ふり返って見たいと思います […]

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