この歳になってから新しい趣味に目覚めるのも
珍しいかも知れませんが、最近、神社の神札収集が面白そうだと
10数枚、神さま集めして喜んでいます。
わたしが勤めた会社の入社当時のオーナー社長は、
全国を出張して歩くので、どこの街でも小さな郵便局を探しては
10000円ずつの定期預金をしてその証書を集めるという
まことに崇敬すべき趣味を持っていましたが、
それほど資産に縁のない当方には、神社の神札程度が似合いだと(笑)。
で、一番新しいコレクションがこの「烏森神社」神札。
烏森神社は、ご存知の方も多いと思いますが、
サラリーマンの街、新橋の古刹であります。
っていうような立派な神社ではなく、飲み屋街のなかにある。
緑地などの飾りもほとんどなく、社と鳥居と参道10mほどがあるだけ。
それも表通りからちょっと入っているので
ほとんど気付く人がいない名物神社であります。
わたし、東京でのサラリーマン時代、新橋にはお世話になったので
よく参詣させていただいておりましたが、
新橋に寄ると、いまでもちょくちょくとお参りしています。
飲み屋さんを見守ってくれているという
ありがたい神さまだと、日頃から深く尊崇していました。
で、先日の出張の折にも寄りまして、
今回初めて、神札収集を目的に参詣した次第。
わたしの人生で新橋とのご縁を欠かすわけにはいかない(笑)。
伊勢神宮や出雲大社のような立派な神社でないけれど、
深くわたしの生き様を見守っていただけたと思うのであります。
で、はじめてその由緒を見てみました。
そうしたらこの神社、祭っている神さまは、
主神:倉稲魂命
相殿の神: 天鈿女命・瓊々杵尊
ということだそうで、主神はお稲荷さんとのこと。一方、
相殿の神さまに、漢字で書かれているので気付かなかったのですが、
なんと、アメノウズメ神が祭られていることを発見しました。
アメノウズメさんといえば、神話の世界での色っぽい大スター。
アマテラスさんが、機嫌が悪くなって天の岩戸に隠れたときに
裸で踊って男性神たちのどよめきをおおいに沸き立て、
「なにごとぞ」と女性神アマテラスさんがちょっと岩戸を明けた瞬間に
力自慢の神さまが一気に岩戸を開け放った故事がある。
で、神社の由緒書きには「技芸」の神さまとして祭られている。
「おお、さすがは新橋」といったところであります。
昔、新橋芸者というような存在もいたそうで、
まことに立地に叶った神さまであると頓悟いたしました。
こういう八百万の神々が、
神聖あらたかに祭られ続けてきたというのは、
日本民族の面白さ、奥行きの深さを表していると思います。
一神教が大きく支配している世界の中で、
こんなにも多様な神さまがながく尊崇されてきた列島社会。
日本社会のワンダーランド性をくっきりと表しているのではと
大いに神札集めの意義を、勝手に大袈裟に感じている次第です。
Posted on 11月 26th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究
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