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小堀遠州の作庭

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写真は宮城県松島の円通院の庭の小屋。
いつ行ったのか、良く覚えていないのですが、
なにげに歩いてみて、瑞巌寺からほど近くにありました。
松島には、いろいろな機会に行くことがあるので、
瑞巌寺前庭の杉の森など、好きなのですが、
この庭を歩いたのは、ほんの偶然でした。
で、歩いてみてびっくりするほど繊細な造作ぶりに感嘆したのです。
で、あとから、この庭が小堀遠州の作であると聞いた次第。
なんでも江戸の伊達藩屋敷にあった庭を、
この松島に移築させたのだそうです。
「え、庭を移築?」と、驚きますが、
江戸初期の時代には、そういう感覚が存在したのでしょうね。
小堀遠州というひとは、
千利休・古田織部とならぶ、近世の芸術家といわれます。
西洋とは、すこし日本は芸術の価値観が違うと思いますが、
そういう世界観の中で、独特の芸術世界を生み出したこの3人は面白い存在。
小堀遠州というひとの来歴を見ていると、
武家としての栄達も遂げていますが、
現代の価値観から言えば、かれは建築家といったほうがいい。
いろいろな建築の奉行を務めていて、
それも幕府御用達、というような存在のように思います。
師匠である古田織部の非業の死を見ていたので、
政治的に、幕府との距離感を常に計算している感じがして、
そのあたり、清々しさには欠ける面もありますが、
しかし、利休からの権力と芸術の関係を見ると、やむを得ない面がある。
そういう遠州に、庭を依頼できたのですから、
伊達の世渡りのうまさ、というのも十分に伝わってきます(笑)。
庭は、まぁ、ことばでいくら説明してもしょうがない。
見て、感じて味わうものでしょうが、
写真はさりげなく建てられていた小屋がけであります。
石置きの屋根、円窓、といった構成でしたが、
庭と一体感があり、建物の意味を感覚させてくれるものでした。
わたしはとても感激しました。としか、言いようはありませんね(笑)。
やはりこのひと、面白そうだなぁと、小堀遠州のことを
もっと知りたくなったきっかけになった次第です。
北のくらしデザインセンター
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