きのうの続きであります。
きのうの投稿後、たくさんの書き込みが寄せられ、
講演者の前真之さんからまでFacebookにコメントが寄せられました。
言うまでもないことですが、わたしのブログはある特定の事柄に接しての
あくまでもわたし個人の受け止め方です。
わたしが感受したことをもとに気付いたことを書いているわけです。
そういう意味では、講演された前先生のコトバ、そのままではなく
わたしの主観的な意見も入って構成されるものであります。
そのようにご理解の上、お読みいただくようにお願いします。
前先生からは、各方面からいろいろな意見が寄せられた点について
論議を盛り上げて欲しい、という旨、電話やメッセージまでいただきました。
たいへんお気遣いいただき、感謝申し上げます。
そんなこともあって、本日も書きたいと思います。
東大でエネルギーについての研究を重ねられている先生の立場としては
おのずと国の方向性を見定めながら考える部分が大きいのだろうと思います。
エネルギーは国の基本であり、どんな方向選択になるとしても、
その方向で成り立つように考えなければならない。
特定の「イズム」論ではなく、冷徹なリアリズムを持って考えなければならない。
わたしとしては、そのような気付きが得られました。
考えてみれば「こうであるべきだ」ということだけで生きていけるのならば、
そう深くは考えなくてもいいのだと思います。
自説に反対の立場に対して非難していればいい。そういう「主張」でなく、
日本人はどう生きていくかと日々考えなければならない立場では
いろいろな批判は甘んじて受けながら、
しかし覚悟の上で、決断はしていかなければならないでしょう。
きのう、世界の国別貿易収支黒字国の図表を示したのですが、
3.11以降、日本の貿易収支は
世界の中で大きく下降してきているのは紛れもない事実。
一方でドイツの絶好調ぶりを示させていただいたワケです。
ドイツは、身の丈よりもずっと割安な通貨、ユーロのおかげで
非常に活発な貿易体力を維持し発展させ続けてきている。
日本の急落を尻目に、昨年は中国以上の外貨を稼ぎまくっている。
ユーロというのは、壮大な実験と言われてきているけれど、
現状を見れば、ドイツのひとり勝ちという現象に結果してきている。
そういうなかで、ドイツはエネルギーも自然エネルギーにシフトしてきている。
活発な経済のおかげで、電気料金の倍への値上がりも
国民はいやいやながらも受容しているとされていた。
ひるがえって日本は、このまま、貿易収支の厳しい状況のままとするのか。
経済の厳しい状況のまま、もっと電気料金が高騰していくことに
本当に日本人は耐えていこうとしていくのか。
もしそうであれば、日本の将来像はどのような生き方になっていくのか。
確かに経済成長をあきらめて、ほどほどの位置にあればそれでいい、
というような考え方も選択可能ではある。
しかしそれでは、経済的に現状維持すらも難しくなる可能性も高いかも。
不安定な自然エネルギーを活用しながら経済成長は確保しうるのか。
世界の中で、現状16番目くらいの立ち位置のまま、
徐々に世界の僻地へとなっていこうとするのか、
そういう国になれば、稼げる人材ほど国を離れざるを得ないのではないか。
そうなってもいいという覚悟が日本人に本当にあるのか、
このエネルギーの「安全保障」問題は、国民ひとりひとり
わたしたち日本人は、真剣に考えなければならないなと思った次第です。
Posted on 7月 30th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 日本社会・文化研究
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