きのうは夕方から、表題の通りのセレモニーに出席。
北海道では、独自の住宅技術・文化の進化が見られていますが、
その基板になっているのは、官学民の強い連携というもの。
さらにその中核は、民の側、地域工務店のグループ力がきわめて強く、固いこと。
北海道開拓使の昔から、暖かく暮らせる日本人の家を
どうやったら合理的な価格で作れるのか、それこそ、
継続的な努力が、いまやDNA化したような形で存在しています。
たぶんこのパワーは、同じ日本人が、この北海道の厳しい気候風土に
さらされ続けてきた中から、いわば同志的な協同力として
自然発生的に形成されてきたものなのではないかと思っています。
そこには、先人たちの苦闘の蓄積があり、
目的の共通性が、いろいろな個別の利害を乗り越えて存在した。
長期優良化住宅など、国が住宅政策の舵を性能向上に向けてきたとき、
いわば日本全体をリードする集団力として、
大いに機能を発揮してきました。
国の住宅施策の展開に当たって、それを先導するように
なんなくその基準をこなせる技術蓄積、情報交流組織力がある。
そういった中心にあるのが、この「北海道ビルダーズ協会」のメンバーたち。
これまで国の先導的な住宅施策、事業を契機に立ち上げられた組織の
今日的な再編結集の形が、こういう組織になったという経緯です。
きのうの発進セレモニーでは
こうした地域工務店のパワーを培ってきた大きな部分、役割を担ってきた
室蘭工大名誉教授の鎌田紀彦先生のインパクトに満ちたスピーチもありました。
先生の、まさに実践的な工学的研究開発努力が、
多くの工務店の建築技術の現場力・共通認識として、
脈々と息づいていることが、いまさらのように再確認できました。
現場的な直感力から共有できるものが、北海道には存在しています。
最近打ち出されてきた「札幌版次世代基準」というものの、
作り手たちの現場とは、やや乖離したと思われる部分に
単刀直入、剛速球のようなきわめて率直なご意見を開陳され、
それは一気に会場が弾けるような「開放力」を持っていました。
逆に言えば、こういった部分が、実践的なスタンスを生んでいるのでしょう。
まぁ、前菜として「Replanの三木さんのデザイン重視は、ちょっと・・・」
という辛口のジャブは、これもいつもと変わらないスタンス(笑)。
あ、誤解なく・・・。先生には次号から、
「Q1.0住宅デザイン論」という新連載企画を執筆いただいています。
ぜひ、ご期待ください。
ということで、まさにパワフルな住宅革新の動きが再着火したような、
そういった熱気が充満した夜でありました。
わたしのこのブログでも、継続的に動きをお伝えしていきたいと思います。
Posted on 6月 19th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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