先日NHKが「空き家」問題の特集番組をやったそうです。
あいにく見なかったのですが、
空き家率、ということが政府から発表されるようになって、
そして政府の税制改正で相続税が上げられることもあって、
既存の住宅の利用率の向上に政策的重点が置かれるようになってきた、
そういう流れを受けてのことと思います。
空き家問題は人口減少とか、社会構成の問題などが
からんでいるテーマなので、非常に大きな変化の時代に
差し掛かってきたと言うことを、端的に表しているのだと思います。
しかし、人口減少自体は、日本だけの問題ではなく、
世界同時的に起きていることであって
それと、資本主義的な利益の最大化主義とのせめぎ合いの中で
次の社会は、どのようになっていくのか、いくべきなのか、
空き家問題というのは、そういう文脈で考える必要があると思っています。
人口減少社会では、
スマートシュリンク、「賢くたたんでいく」というような思想が
今後の社会政策ではきわめて大きな命題になっていくでしょうが、
住宅問題が、その一番大きなメルクマールになっていくのは自明です。
日本がこういった局面で、経済成長との調和をしっかりできながら
上手に乗り切って行ければ、その先には安定的で
持続可能な社会が待っているのかも知れません。
知恵と工夫が試されていく局面ではないかと思います。
そんなことを考えていて、
ふと思い出したのが、欧米社会では当たり前に存在しているという
古建材のリサイクル品を委託展示販売代行する「サルベージショップ」。
「ローマはギリシャの建材で作られた」、というような言葉もあるそうで
日干しレンガを中心に、建材のリサイクルというのは
そういう連綿とした伝統を持って今日まできている。
写真は窓の展示場所を撮影したもの。
さまざまな住宅を構成していた窓が所有者から展示販売されている。
気に入った窓があれば、ショップの仲介手数料を加えた金額で取引される。
DIYの伝統が強固に根付いていてのことでしょうが、
空き家問題にも、持続可能性社会の思想が反映していくべきだと
そんな思いを感じていた次第です。
Posted on 1月 16th, 2015 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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