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縄文期の土面

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写真は北海道千歳市近郊で発見された縄文期末期の土面。
墓標の一部として使われていたと推測されています。
2000年以上前のひとたちが土をこねて造作した作品。
こういう土面としては珍しい写述的なもの。
そうですね、無表情ではあるけれど、
なにか、訴えかけてくるような表情があって
心に残ってくるような趣があります。
こうした遺跡発見物には、人間個性を感じさせるものは少ないのですが、
そういうなかでは、飛び抜けて「個性」表現が感じられる。
こうした時代の人びとは、っていうか、
歴史年代以降でも、「個性」というような部分って、
日本の歴史では近代の西洋文明が導入されるまで
そう大きな関心を持っていなかった領域だったと思います。
それよりも、個人は集団に帰属するものであり、
なによりも「家」の存続が、個人を超えて最高規範だった社会だと思う。
武士の生き死に、死生観のなかに
死後、自分の死を超えて家の存続を保証してくれる存在として
そういう死の見届け人、家存続の保証人として、
「大将」というものがあったと思われます。
そんななかで、それも縄文末期の時代なのに、
どうも、この土面からは匂い立ってくる「個性」が迫ってくる。
写述への強い思いを抱きながら作ったものなのではないかと
そういう推測、想像が沸き立ってきます。
やや少年的な顔立ちを感じるのですが、
ひょっとすると、愛する子どもが不慮に死に、
その我が子への愛情を心に思いながら
その親が造作した作品なのではないかと、
情念が感じられてなりません。
事実や、残されたものから、
どういう思いでこうしたものが作られたりしたのか、考えること、
歴史を楽しむって、ようするにこういう人間への興味が
その根本にあるのでしょうね。
で、やはりその判断材料は、わたしたちと同じように
感じたり、考えたり、願ったりした人間の営みだったということなんですね。
みなさん、こんな土面から、どんな思いを感じられますか?
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