一昨日は札幌市の避難勧告数が78万人という報道発表が
全国的に大きな反響を呼んだようで、
Facebookでも、いま海外にいる方からも含めて
「大丈夫ですか?」みたいな声掛けをいただきました。
ありがたいことだと思っています。
なんですが、実際のわたしどもの札幌市西区にいる人間の感覚からすると
なんか心配してもらって、心苦しさがありました。
確かに広島や礼文島の災害などのこともあった直後なので
行政側で、より安全側に対応したということは無理からぬ点もあると思いますが、
しかし実態としては、78万人への避難勧告に対して
実際の避難者数は、まだ公式には出ていないようですが、
きのうの地元テレビ局によるニュースでは500人に満たなかったようです。
盛んに「この数字をどう見るかですが、、、」というような
発言を多くのキャスター・コメンテーターの方たちがしていました。
たぶん全国のみなさんの感覚としても、78万人に避難勧告って
いったいどんだけの騒ぎなんだ、と思われるのは当然ですよね。
だいたいそんなに避難したら、大交通渋滞が発生するのは目に見えている。
そういったことを踏まえてもあえて、避難させるべきだという事態が
札幌では起こっているのだと思うのは自然。
わたし自身も、一昨日は午前3時過ぎから
ケータイがけたたましく鳴り始め、
盛んに「命を守る行動をしてください」みたいなアナウンスを繰り返していた。
その上、避難所の場所の準備も出来ていなかったから
逐次、どこそこの避難所が開いたとか、
いやそれは間違っていましただとかの、細かい情報の果てまで
けたたましい警告音とともに絶叫されていた。
ちょっと待て、そもそも札幌は崖地など土砂災害の危険箇所自体は
都市計画的に少ないはずだ、くらいは考えられるだろうにと思う。
確かに危険な区域はあるのだけれど、
では実際にこのアナウンス通りに避難行動に多くの人が移ったら、
そのことによる被害も相当広範に起こったに違いない。
避難場所の特定までアナウンスがほとんどなされていないなかで
住民がどのように行動するか、そのことが2次的な被害をもたらさないか
そういった検討は担当部内できちんと行われていたのだろうか?
土砂災害の危険地域とそうではない広域の区別が、
市の担当者レベルで、たぶんきちんとした把握がされていないのではないか。
そういった状況の中で
より安全側の担当者の対応として、
ケータイへの一斉同報機能が、のべつまくなく使われた。
現時点では、仕方なかった部分は了解するとしても
災害警告機能の使用方法としては、今後の再検討が絶対に必要だ。
78万人のうち、実際に行動したのが500人未満であったというのは
行政側への物言わぬ警告ともとれると思った次第。
Posted on 9月 13th, 2014 by 三木 奎吾
Filed under: 「都市の快適」研究
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