「地底の森」っていう名前からして
イメージがおどろおどろしい。
どういう展示物なのか、具体的にはイメージしづらい。
一般的にはそんな反応でしょうね。
わたしもそんなイメージを持っておりまして、
まぁ、興味分野のことすらなかなかカバーできないのが人生なので、
スルー、というのがやむを得ないところ。
仙台にいるスタッフに聞いても、名前は聞いたことがあるけれど、
行ったことがある人はおりませんでした。
きのう書いたとおり、特別企画展の方に惹かれて
行ってみた次第です。常設展示のコーナーを抜けた先に特別展示があるので、
どうも、この特別展示の企画意図の所在が
何となく推察されるところですが、
まぁ、受け入れて見学いたしました。
いきなり地下に下りていくのですが、
写真のような光景が広がっています。
馬蹄形のようなコンクリート空間の地面に石器時代、
いまから2万年前の発掘現場がそのまま、保存されているのですね。
現在の仙台市の気候条件は年平均気温12度ほどですが、
この当時は8度ほど寒冷だったそうで、
しかも湿潤な半湿地的な場所だったそうです。
当時は氷河期だったので、海水面も低く、海からはかなり離れた植生状態でもあった。
で、この発掘現場にはなんと人間の痕跡が発見されたのです。
たまたま、狩猟に来ていた3人がキャンプをしたであろう様子が
克明に再現可能な形で保存されていたというのです。
その想像現場の様子が、ビデオや3次元映像などで繰り返し放映されています。
考古学の発掘現場でありながら、
ついに「人文」にたどりついた、という興奮が
このようなミュージアム保存へと駆り立てた最大の動機のようです。
そこでは、キャンプの時の石を穴に保存した様子とか、
槍状の狩猟器具の穂先を交換した様子、
火をおこして小さな野ウサギを食事した様子などが
炭化した痕跡として残されているのです。
まぁ、たとえていえば今日の一日の様子が、2万年後、
まるでそこに人がいるように再現できたと言うことなのですね。
一般的な生活人からすれば、
こういうことの偉大さって、少し理解が難しいモノかも知れません。
考古を歴史のようにわかりやすく面白く見せるというのは
至難の業なのかも知れません。
でも、企画意図には深く思い至らされるものがありました。
いろいろと教えていただいたボランティアのみなさんも
大変面白くご説明いただけました。ありがとうございました。
大変勉強になった次第です。それと建築も良かった。
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び
Posted on 7月 20th, 2008 by replanmin
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