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江戸の大衆社会状況 5

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最近、人口減少社会の本格的到来を前にして
社会インフラとしての「コンパクト化」の流れが顕著だと思っています。
人口が減少していって、このままの「福祉」を維持していくとすれば
総トータルとしての社会活力は減少し、
高度成長期から拡大してきた国土社会基盤のインフラ維持は困難になる。
わたしが住んでいる北海道のJRや、北海道電力の経営危機は
広大な地域でインフラ維持していくことの困難をある意味で証明している。
各企業体の困難はそれぞれの事情があるにせよ、
その根底には、拡大したサービスネットワークを維持していく困難が
大きく横たわっているのだと思う次第です。
JR北海道では広大な地域の鉄路網の維持メンテナンスと、
経営合理化とのハンドリングがいかに難しいかを表しているし、
北海道電力については、原発問題で隠されていた、より本質的な問題
電力輸送の巨大なコスト負担の問題が露わになってきたといえるでしょう。
原発という解決策が見えにくくなってきて、袋小路に入ってしまった。
ただ、この問題、先般の都知事選での小泉・細川さんの主張
「なんとかなる、進歩を止めろ」
では、いま生きていて、未来に希望を持ちたいと考えている
ふつうの国民はたまったものではない。
もうすでに功成った悠々自適な老人層が、生きていくことに必死な
若者たちに無責任な倫理観を押しつけ、あっさりと見限られた図だと思う。
原発が動かなくなって、では日本の社会をどう変革し、
エネルギー、経済を含めてどう生き延びていけるのか、
その道筋を明確にしていかなければ、路頭に迷うのは国民だと思う。
エネルギーコストの急上昇で貿易収支が大赤字になって
国富がドンドン毀損しているのが、不都合な現実なのですね。
そういった無責任な論議に既得権を持たない世代が憤ってきていて
極右的な政治家に期待するような若者層が増えてきている。
突き詰めて言えば、エネルギー問題とともに
この社会構造の問題が一番大きくて、それへの改造策が見えてこない。
こんなにお金がかかる社会構造をつくってきて
それを放置したまま、自分たちだけは既得権益で守られて
逃げ切ろうとしていて、なお、捨て台詞にきれい事を言っている、
というような感覚が若い世代にはあるのだと思う次第です。

いまは、やはり江戸の終焉期に近くなってきているのかも知れないと
やや諦観に似たような感覚も持っています。
経済的に江戸時代というものをしっかり見据えていくことで
現在の情勢を、より相対的に俯瞰することはできないだろうかと考え
こんなシリーズを始めて見ています。
始めて見たら、けっこう興味を持ってくださる方が多いことを発見しています。
まだ続けてみたいと思います。

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