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国による住宅と「健康」への関与

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きのうは仙台で、「健康維持推進住宅」についての講習会が開催されました。
聞き慣れない名前なのですが、
平成19年から国土交通省によって設立された「健康維持推進住宅研究委員会」
<委員長/IBEC理事長・村上周三氏>において、6年間にわたって、
「生涯健康・生涯現役の実現、あらたな住宅環境やコミュニティのありかた」を
研究されてきて、その成果を発表するために講習会を開催したということ。
こうした講習会が仙台で開かれるのは、
日本建築学会会長になられた吉野博先生が、住まいと環境東北フォーラムを
主宰されているから、ということだと思います。

発表されていたのは、吉野先生と、
昭和女子大学の堤仁美先生、首都大学東京の小泉雅生先生の3人。
住宅の性能ということへのアプローチが
外皮の性能レベルだけから、設備も包含するような方向になって来て、
さらにそこで暮らす人間の健康ということにも
立ち入っていこうとしています。
聞いていて、これは厚生労働省の管轄の領域のような気がしてきましたが、
しかし、建築の目的はそこでの人間のふるまいも考慮に入れることが
不可欠である以上、このようなアプローチもありだと思います。
そこで展開されている論議は、テーマとしては平明なものであるのですが、
ある漠然とした領域であって、解析するには
あまりにもあいまいさが残らざるを得ないと思われました。
ただし住宅ユーザー側からすれば、わかりやすいアプローチには違いない。
冒頭で、吉野博先生から、こうした研究分野の意図が語られていましたが、
いま、国ではアベノミクスの第3弾、成長分野の開拓が大きなテーマであり
そのなかで「健康」というキーワードが産業育成の大きな事業領域として挙げられている、
というお話しがありました。
高齢化社会の進展の中で、
日本の産業構造改革を進めることで成長のタネを作ろうということでしょう。
世界が一斉に「高齢化社会」に突入し、日本がその先頭を切るかたちになっていることを考えれば、
たしかに住宅進化の促進として、このようなアプローチもあってしかるべきだと思います。

なんですが、なにせ、これまでの住宅性能のフレーズとは
まったく違うフレーズが満載されていて、
にわかには、判断しにくい領域だと思わされます。
まずは、じっくりとテーマを煮込んで把握したいと思っております。むむむ・・・。

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