最後は、思った通り田中将大君の姿がありましたね。
野球の監督というのは、プロの試合の演出家でもあるのだから、
こういったやり方を、星野仙一ならするだろうという
まんまの手を打ってきた。
で、結果は見事に出て大団円となったけれど、
逆に言うと、楽天がジャイアンツに勝てるとすれば、
田中将大選手にすべてを託すという手しかなかったと思いますね。
戦力の全体計算で言えば、やはりジャイアンツはどう見てもナンバーワン。
そのチームに、ことしこの時点で勝つ作戦としては、これしかなかった。
そして田中将大選手を中心にひとつにまとまった集中力で
戦力差を撃破できた。
まことに、弱者の戦い方のお手本を見るようで清々しかった。
野球は戦力が基本因子のスポーツだけれど、
もっと大きいのは、偶然性のコントロールではないかと思うのです。
偶然性を生み出すのは、やはり選手の集中力が最大のものでしょう。
最終回の最後のマウンドで起こった、地鳴りのような東北のみなさんの声援には
ジャイアンツの選手たちといえども、戦い方を見失ったに違いない。
ジャイアンツ原監督の敗退後の笑顔が印象的でしたが、
素直に地の利を活かしきった星野監督の、
勝負への姿勢に、抗いきれなかったなぁという清々しさが感じられた。
最後にこの手がある、ということはわかっていたのに、
やむなく敗戦を迎えてしまった、という感じがありました。
きっと、きのうの戦局は、最終回に田中将大選手が大声援を受けて
マウンドに仁王立ちする、というクライマックスに向けて
つばぜり合いを見せる試合だったのだけれど、
そしてそのなかで、原監督も楽天の得点を3点に抑えてしのぎきって、
なんとか、打線の爆発を期待して手を打ってきたけれど、
総合的戦力の優位性を結果に結びつけることはできなかった。
田中君の完投敗戦の一昨日、球場の外に、チケットを得られずに
それでも集まったという東北の人々の静かな情熱。
そしてきのうは、隣接する競技場をパブリックビューイング会場として開放し
そこで多くのみなさんが声援を送っていたという。
こういう「偶然を生み出す最大の力」には、なかなか勝ちきることができない。
戦っていた相手ですら、なかば心の中で祝福せざるを得なかったのでしょう。
おめでとうございます。
なによりも、東北のチームが栄冠を勝ち取ったことを喜びたい。
日本人が愛し続けているプロ野球の歴史にも
格別な一章が加わったように思います。
わたしは、あした仙台に入るのですが、きっとこの余韻が
至る所で見られるかなぁと期待しています。
国分町は、だいぶ遅くまで賑わっていたのかなぁ〜〜(笑)。
Posted on 11月 4th, 2013 by 三木 奎吾
Filed under: 北海道日本ハムファイターズ
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