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ジャイロ窓

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先日撮影取材した、山形市の住宅。
山形市は、今年、最高気温の記録を埼玉県熊谷市・岐阜県多治見市に
抜かれるまで日本最高気温を記録していた街。
なんと73年前に40.8°Cという、今年の記録と0.1度しか違わない記録だったのですね。
山形は、冬は寒冷でしかも雪も多いのに、
周囲を山に囲まれた地形から、夏の温度上昇もすごいんですね。
車で1時間ほどしか離れていない仙台市が、海風の影響からか、
比較的に涼しいのと比べても、特異に暑い夏を持っている都市です。
そんなことから、夏の防暑対策を考えた家づくりが求められる土地柄。
この住宅も、施主さんは北海道出身者のご主人ということですが、
そういうことから、高断熱高気密で、しかも夏場対策を通風という考えで追求した、
いろいろに工夫している建物になっていました。
とくに開口部周りにおもしろいポイントがありましたので、いくつかご紹介します。
きょうは、写真でごらんいただけるジャイロ窓。
北海道ではまず見かけることがない窓です。
以前、この寒々しいアルミ製のジャイロ窓の住宅を取材したことがあって、
どうも、ジャイロ窓というとそのイメージが強烈だったのですが、
これは、窓枠は内側に樹脂で、外部側はアルミという素材構成ということ。
樹脂の断熱性能とアルミの耐候性を両立させているタイプ。
断熱的には、全樹脂製には及ばなくなるのですが、中間的なものですね。
全樹脂タイプがあるのかどうかは、確認できませんでした。
その点はあるのですが、しかし、なんといっても
夏場の通風率がたいへん高いのだそうです。
まぁ、目で見ていても大量の通気が確保できそうな印象。
この位置にあるジャイロ窓は、室内では吹き抜け上部にあたっていて、
室内から開閉が出来るようになっています。
やはり、夏場の室内上部の温度上昇は厳しいので、それを逃がしていく経路になります。
設計者の中村廣さんは、高性能住宅の設計で
IBECの省エネルギー住宅コンテストでも入賞されたことのある設計者。
そんなことから、いろいろな設計上のポイントがあります。
地域の特徴をとらえた住宅設計のプロって、
やはり必要不可欠な存在ではないかと思います。
寒さ、暑さに立ち向かう住宅づくり、やはり本道だと感じますね。

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