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都市中心部の木造建築

都市中心部の崩れていく寸前のような
木造建築のたたずまいが、嫌いではありません。

建築というのは、使われてなんぼのものですが、
こういう都市中心部の建物は、建てられた当時の用途や
その建て主までどんどん変化が加わっていく。
時代の移り変わりを体現しながら、街のそのときの表層の気分を表現する。
そういう建物を情報から見下ろすと、
その素性がいろいろに窺われて、興味が尽きない。
木造だから、大体が傾斜屋根で覆われているけれど、
いわゆる「看板建築」のように高く「パラペット」が回されて
一見するとコンクリート建築のように見せている場合が多い。
しかし、上方から見ると、
その種明かしがすべて丸見えになってしまう。
で、苦労を重ねて屋根が複雑な形状で掛けられている。
さらに雪の問題も係わるから、雪国ではそういう配慮も必要になる。
増築やリフォームはそれこそ毎年のように繰り返される。
建物と建物がくっついたり離れたりを繰り返す。
雨や雪による建物劣化は、容赦なく襲ってくる・・・。
そういったいわば「履歴書」を見るような思いで見る次第。
交易、というものの交換機能って、人間に本然的な部分であり、
その集中的な場としての都市というものが成立する。
そこで建築は、そういう空間を作り続けていくことになる。
必然的に、都市の雰囲気というものが生み出されていく。

写真は青森市中心部の様子なのですが、
コンクリート建築よりも木造が優勢な街では、
このような光景が一般的でしょう。
なにをどう感じるかは、人それぞれでしょうが、
わたしの場合、こういった光景、きらいではなく、
ついつい、見入ってしまうことの方が多い。
コンクリート建築よりも、ひとに懐かしい雰囲気やたたずまいを
そこに感じてしまうのですが、みなさんはどう感じますか?

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