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リフォームの心理的動機

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リフォームって、難しいマーケットなのだとつくづく実感します。
新築需要については、やむにやまれぬ「家を建てたい」という社会的な需要というか、
ユーザーの側にわかりやすい欲望が存在します。
それに対して、リフォームは「誰でもが希望しているわけではない」というような
難しさがあると思います。
新築は、それこそ、生まれてきたら誰でも一度は家を持ちたいと考える
というような欲求が「自然に」醸成されています。
だれもが、人生のひとつの目標にするというわかりやすさがあって、
少なくとも、そうした動機の部分では、建築事業者の側で工夫するという必要がない。
言ってみれば、自然な欲求に対して「仕掛けて」いけば
自ずと広範なマーケットが反応してくれる。
それはまず、基本となる「住む土地選び」から
収入に応じた資金計画のプランニング、
家づくりについての総合的コンサルティングなどなど、
一連の流れが存在しているので、それに踏まえていけばわかりやすい。
それに対して、リフォームでは、ユーザーの動機の掘り起こしから
いろいろ考えていかなければならない。
ユーザーの漠然とした心理に方向を与えていかなければならないのだ。
ここのところがもっとも難しいし、簡単明瞭になりにくい。
まだ、北海道では、家の寒さというような
基本性能の部分での広範な需要が存在しているのでわかりやすい。
しかし、それにしても、生活上の毎日の問題なので
「我慢しているうちに忘れてしまう」というような心理もあります。
まぁ、寒くて暖房費がかさむ、というような切実な問題についても
当面のランニングコストと、それを解消させるについての建築コストが
金額比較で言えば、桁が違いすぎて、人生設計の中で
どうしても後回し、それよりも将来不安の方が大きいので、
いきおい、資金を貯蓄したり、他のわかりやすい消費、
たとえば目先の快適性で車や、旅行といった消費に走るというケースが多い。
家の性能向上と言うことでは、
写真で見るような窓の取り替えという工事がけっこう大切な部分なのですが、
なかなか、工事も複雑になって工程もかかるので、
ここまで行う工事というのは、少ないのが現状ですね。
さて、そういう現状のなかにあるわけですが、
地球温暖化の問題や、エネルギー問題が
世界的にも焦眉の現代的課題になってきて、
寒い家、エネルギー多消費型での問題先送りが許されなくなってくる中で、
やはり、省エネルギーの側面からのリフォームの提起が
もっとも、わかりやすくユーザー心理には響くのではないかと思います。
いつまでも、粗大ゴミになるような家づくりをしていてはいけない。
環境をわが家から考え直していく、そういうリフォーム需要の喚起が
求められていくのではないかと、希望的に考えています。
そしてこのことは、北海道、寒冷地だけの問題でもない。
夏場の冷房負荷の増大で社会全体が問題拡大に苦しんでいる
首都圏地域をはじめとした全体に、需要が存在するでしょう。
まぁ、しかし、やはり目先的にはやはり難しいのでしょうか、ね。
こうした側面からわが家のことと、環境問題への対応をリンクさせる考え。
なかなか、悩ましい問題だなぁと思っている昨今です。

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