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「地域型住宅」の選考基準は?

今年からというか、四月からの新年度から
国交省の住宅施策として「地域型住宅ブランド化事業」というものが
はじまるとされている。
制度の概略はときどきリークされているけれど、
こういった補助金事業というものは、余り健全な姿とは言えない。
どうしても「トクする」というような心理が働いて
行政サイド、それも補助金を支給する監督官庁の権限が必然的に高まる。
それが狙いともいえるのだが、
そうしたことへの反省がずいぶんあったのにと思うけれど、
しかし一方で、そうした状況には対応しなければならず、
なんともいえない、微妙さがついて回らざるをえない。

で、その「地域型住宅ブランド化事業」なのだけれど、
いまになっても、それがどのように「選考されるのか」が提示されていない。
ちょうどいまそれこそ、そういうことを監督官庁で論議しているのかも知れない。
政治の側での予算審議を経て実施されるのだが、
政治主導というのは名ばかりで、3月中にも骨子が内示されるという
そういった話も出てくる。
早く知ることで、営業的な有利不利があることなので、
仕方ないことなのだが、こういう問題点も見えてきているのは事実。
さて、それはいいとして、
選考の基準であります。
先日行われた、この事業の先導的モデルとも言える
「ふくしまの家プロポーザル」では、
やはり、選考委員の判断の幅が非常に大きかったと思います。
やむを得ない部分もあるけれど、
審査するというのは、大変難しいとあらためて実感させられました。
それと、そもそも「地域型住宅ブランド化事業」について
中央としての国が判断基準を示す、そこに各地域の事情が反映しない、
というようなことが起こったら、どうなるのだろうか?
たとえば、北海道で断熱や気密に顧慮しないような提案は
あり得ないだろうと思うけれど、
それらの提案内容をしっかり理解できる「東京の」建築専門家など
わたしが知る限り、本当にレアな存在であって
そういったひとが関与するとも思われない。
第一、北海道の住宅には大きな流れというものがあって、
国の住宅政策とはあんまり関係なく、北方圏住宅として
独自にいろいろ基準を作ったりしてきている現実がある。
「地域型住宅ブランド化事業」は国の事業だからと言って
地域の独自性を無視は出来ないだろうと思う。
しかし、福島では断熱気密に配慮したような提案は評価されていなかった。
このあたりの問題に、国としてはどう対応するのか?
まことに難しいのではないかと、非常に心配してきております。

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