わたしの家や事務所の最寄り駅は札幌地下鉄の「琴似」という駅です。
徒歩で約15分程度の距離。
札幌市内では、ターミナル駅でもあり、そこそこの繁華街。
札幌市中心部からの地下鉄利用者がバスに乗り継ぐので、
そういった時間帯は、かなり流動人口は増えます。
商業施設の集積もあって、ダイエーがあったり、以前は
紀伊國屋書店も出店していました。
もともとは札幌市ではなく、琴似村という集落だったのですが、
札幌市の広域化によって、市西部における
副都心的な機能を持ってきた街です。現在は札幌市の西区役所もあります。
歴史的には、先住民の遺跡などの保存箇所は耳にしません。
そういうのは一番近くて、約5kmくらいの北大の構内にあります。
明治期以降では、屯田兵屋が集中的に建てられた地域で
現在に続くような街割りの基本がその当時に開かれています。
いまはそこそこの都市機能が充足してきていますが、
そうはいっても、歴史時間は高々、40年程度でしょうか。
地下鉄の開業から本格的に市街化してきた、といえる街。
わたしは一貫してこの周辺での暮らしが長い。
高校時代に、この街の東側1.5kmくらいのところに移転してきて
東京暮らしの時代の空白を経てふたたびその周辺に居住し、
その後、この街から見てやや南西側に住宅を建て、
事務所を建てて、という推移をたどっています。
人生のなかで、35年以上この街と関わって暮らしています。
(って、自分でも計算してみてびっくり)
前置きが長い・・・(笑)、そういう街なんですが、
本当にブルースの要素がまったく感じられない(笑)。
そもそも北海道は人々の暮らしようの集積が全然少ないし、
生活感の共同性も薄いありようなので、地域に通底するような
リズム感とか、メロディ、ハーモニーがどうにも想定できない。
そういう音楽の基本的な要素をあえて探すとすれば、
やはり都会的な、都市的な音の要素としての
クルマの音、地下鉄の音(って、音が少ないことで有名なんですが)程度。
街の音的な要素自体が少ないのですね。そんななか、
きのうたまたま、地下鉄駅のコンコースでJAZZをやると知って
おいおい、ということで聴いて参りました。
2人の掛け合いでの音楽会であります。
曲はどれもわかりやすいスタンダードでしたが、
なかなかにマグリットの絵画のような、偶然の出会い感があって
スウィングの予感のようなものがありました。
このような生成過程の街で、どういった音楽的創造があり得るのか、
「あ、これはちょっと考えてみたいなぁ」と思った次第。
確かに、この街ではひとびとはすれ違うことくらいしか、「関係性」が
いまのところないのだけれど、
こういう音楽を聴かせてもらうと、お隣にどんなひとがいるのか、
どんな表情で聴いているのか、面白く感じてくる。
こういう街で、固有のスウィングするリズム・メロディ・ハーモニーが
生まれるのかどうか、試してみたくなる。
そのジャンルがJAZZなのかどうかは、よくわかりません。
でも友人関係で音楽といえば、そういえばJAZZが最大公約数。
さっぽろって、民謡ではないだろうし、
流行歌はそれなりにブルースがあったとはいえ、
それは北国の旅情に近いものであって、地生えの生活感情とはいえない。
北国であって日本民族的であって、現代的といえば、
案外、JAZZは嵌りうるのかも知れない。
そんな妄想に浸りながら、少しカラダが微振動しておりました(笑)。
Posted on 10月 15th, 2011 by replanmin
Filed under: 「都市の快適」研究
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