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現代の住宅で、あまり重視されなくなった代表格に門がありますね。
写真は、先日から紹介している会津若松城に隣接する茶室のもの。
塀の屋根材でご紹介したのですが、木の皮や竹が使われていますね。
塀はその屋根で保護した白壁と下見板と押縁という構成。
壁の下部は雨の跳ね返りを浴びてグラデーションがかかったようになっている。
きっとこういう劣化変化も意匠としては意図しているものなのでしょうね。
で、門です。
こっちは屋根は茅葺きで立派な感じがします。
よく見ると、屋根自体、なだらかな曲線で意匠されています。
優美さを意識させたものなのか、どうか?
江戸期って、なんでも身分制による「格式表現」が強制された社会で、
門というのも、身分によっていろいろなしきたりがあったのだそうです。
詳しくはありませんが、こういう門はかなりの身分に相当したのでしょうね。
いまとなっては、そういう社会的な決まり事は不明になっているので、
よくわかりませんし、伝わってくる直接性に欠けてもいると思います。
門に屋根まで架けるというのは、
結界の表現とは言えるでしょうね。
塀によって、外界とは違う世界を内部に作り上げ
その内部と、外部との接点表現として、
心理的区切りとして、こうした門を意匠したと言うことなのでしょう。
屋根まで架けられていれば、雨の日などは
その下で、身繕いも出来ますよね、
身だしなみを整えて、お入りくださいね、
という「亭主」側のサイン表現になっているものなのでしょうか。
というような「門外漢」の雑念がいろいろにふくらんで、
想像力が掻き立てられます。
でも、建築って、とりあえずはあるがままの機能表現が
その本質的な役割と意味合いを直接にあらわしているものでしょうから、
あたらずとも遠からずではあるのでしょう。
でも、塀の屋根と門の接合部には、飾りの木型が嵌められていたり、
いろいろのディテールでデザインが凝らされています。
さて、現代住宅ではこういう門、ほとんど作らなくなっていますね。
社会的ななにごとかをあらわす様式的表現が忘れ去られたこと、
そして機能性としても、ほとんどの「用」が
意味をなさなくなってきた、という部分が大きいのでしょうね。
そういう意味で、門というのは、
身分制社会の大きな文化遺産として、歴史のなかに消えていくものなのか?
どんなものなのか、よくわかりませんね。ふむふむ。

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