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福島県飯舘村への思い

環境省の「エコハウス」事業については
いろいろな思いがありました。
そういうなかでも特に、福島県飯館村の「までいな家」については
私自身も見に行って、その、まことに「自然循環」的な設計の考え方に
共感の思いを強く抱いた次第です。
Replan東北版で取材記事として掲載したこともあります。
村の考え方が筋が通っていて、
東北でも屈指の寒冷な風土気候を踏まえて、
「高断熱高気密」建築を基本とした、しっかりとした「住宅政策」を
実践している、その姿に、地方自治体のひとつの可能性を見た気がしていました。
どんなに理不尽な中央政府機構であろうと、
それと柔軟に対峙して、自分たちの思いを実現しようとするその姿勢に
深く、敬意を持っていた次第です。
今回の大震災でも、この写真の「までいな家」には、
多くの福島県沿岸部の市町村からの避難者が来て、
その人体からの発生熱だけで、暖房の必要がなく、
また、写真中央の風力利用の「揚水ポンプ」や、
薪利用のボイラーや、調理装置などで、
命を繋ぎ続けていたと言います。
その後のやむを得ない事情での再避難時には、多くの避難者の方が
「ここから離れたくない」と言っていたと聞いています。

そうした村を襲った原発事故の局地的影響。
いま、飯舘村は全村丸ごとの避難を余儀なくされています・・・。
こうした事態の中でも、
報道などで見る限り、村は冷静にしたたかに対応をしているように思います。
菅野 典雄村長は、菅直人首相などとも対談して、
きわめて理性的に、村の復興に向けて、
慎重に手順と布石を打っていると思ってみています。
原発事故に当たっても、感情的にならず、
そういう条件の中で、どのように村を建て直していくべきか、
しっかりと見据えて、取り組んでいくものと期待しています。
今回の震災で、中央政府のさまざまな問題点も出てきていますが、
一方で、県知事さんや、各地域自治体の首長さんたちのなかには、
なかなかに肝の据わった対応を見せているケースが見られます。
間接選挙の結果の国家権力首長とは違って、
直接に住民のみなさんからの信任を得ているひとたちは、
やや覚悟において、違いが感じられる。
結局、自分という人間として直接、主権者に相対している、という
そういった気概が、自ずと備わっていると見るべきなのでしょうか。
危機に当たって、日本人のそういう真実の姿を、
いま、しっかり見ていかなければならないと思っています。

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