青森県十和田市内の住宅の写真です。
この家は、南面がほぼ隣家によって遮蔽されています。
したがって、その面には高さを工夫した窓をしつらえています。
ふつうの位置に窓をつければ、隣からの視線が気になるところを
「採光」に徹して、大きな窓を開けています。
この玄関の窓もそうした工夫の一環。
高さがふつうであれば、隣家との視線が一番気になる位置なんですね。
出入りするたびに気を使わなければならなくなる。
じゃぁ、窓をやめるというのも、採光を考えたとき不合理。
ということで、玄関ということもあって、足下を明るくしたのですね。
これは効果抜群。同時にここは吹き抜けにして
高い位置からの採光窓も開けられてているので、伸びやかで
しかも、隣家からの視線はまったく感じない空間。
そのうえ、この低い位置の窓の外側、写真右側にあるように
外部に坪庭をこしらえてあります。
こういう坪庭って、心理的にはちょうど姿見の鏡と似た効果があって
外に出るときの身繕いを美しいものにしたい、
そういう心理的な仕掛けの効果があるようです。
敷地の条件って、実にさまざまだと思いますが
このように、一般的には、マイナスに考えられる要素を
むしろデザイン的にはプラスに転化させる工夫というのが
大変面白いのだと思います。
素晴らしい敷地条件でも、つまらないデザインで良しとしている住宅も多いし
ちょっと工夫して行けば、砂が砂金に変わる例もある。
設計プランニンングって、実に決定的なポイントなんです。
よく練られたプランは、その家を使う人に
とても楽しい暮らし方、生き方を提案できるものなんですね。
こういうこと、多くのユーザーのみなさんも
ぜひ気づきながら、家づくりを考えてほしいものです。
Posted on 6月 12th, 2006 by replanmin
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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