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玄関脇の坪庭

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青森県十和田市内の住宅の写真です。
この家は、南面がほぼ隣家によって遮蔽されています。
したがって、その面には高さを工夫した窓をしつらえています。
ふつうの位置に窓をつければ、隣からの視線が気になるところを
「採光」に徹して、大きな窓を開けています。
この玄関の窓もそうした工夫の一環。
高さがふつうであれば、隣家との視線が一番気になる位置なんですね。
出入りするたびに気を使わなければならなくなる。
じゃぁ、窓をやめるというのも、採光を考えたとき不合理。
ということで、玄関ということもあって、足下を明るくしたのですね。
これは効果抜群。同時にここは吹き抜けにして
高い位置からの採光窓も開けられてているので、伸びやかで
しかも、隣家からの視線はまったく感じない空間。
そのうえ、この低い位置の窓の外側、写真右側にあるように
外部に坪庭をこしらえてあります。
こういう坪庭って、心理的にはちょうど姿見の鏡と似た効果があって
外に出るときの身繕いを美しいものにしたい、
そういう心理的な仕掛けの効果があるようです。
敷地の条件って、実にさまざまだと思いますが
このように、一般的には、マイナスに考えられる要素を
むしろデザイン的にはプラスに転化させる工夫というのが
大変面白いのだと思います。
素晴らしい敷地条件でも、つまらないデザインで良しとしている住宅も多いし
ちょっと工夫して行けば、砂が砂金に変わる例もある。
設計プランニンングって、実に決定的なポイントなんです。
よく練られたプランは、その家を使う人に
とても楽しい暮らし方、生き方を提案できるものなんですね。
こういうこと、多くのユーザーのみなさんも
ぜひ気づきながら、家づくりを考えてほしいものです。

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