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新聞の1面出版広告

わたし、会社勤めをはじめたのは
広告代理店でした。
なぜか出版広告のお客さんを担当することになり、
それ以来、出版広告に縁があります。
広告の中でも、1面の記事下広告は出版物に開放されています。
新聞社が出版社に対して、いわば同業種として
エールを送るような関係で、優遇してきたのが流れ。
それがいつしか、新聞の顔を飾るのには
それなりの「格式」が必要というような論理に発展して、
ずっと出版広告がその地位を占めてきたものです。

出版の世界では
内部的にいわば出版社や本の格、というものも重視され、
たとえば岩波書店などは、一番右側に位置するという不文律もあります。
逆にやや軟派な出版社では、左端を指定する
っていうようなケースもありました。
日本人の文字認識動作習慣として左側の方に目が流れていくので
そっちの方が、マーケティング的に有利だ、という考えです。
などなど、社会人としての出発点の経験もあって、
出版広告には特別な思いを持っています。
今回、いわば広告代理で写真のような広告を北海道新聞さんにお願いして
掲載していただいた次第。
まぁふだん自社の広告をあれこれ考えるのとは、すこしイメージも違う。
いまは、こちらの方で原稿をパソコンでデータ作成するのですが、
昔は「写植屋」さんで「組み版」を作って「紙型」を取り
新聞社に広告原稿として納品する、という流れでした。
出版社側としては、よりインパクトがあるように
どのように文字組みするか必死で、広告会社側も知恵を絞っていた。
さまざまな工夫を凝らしていたものですが、
今回作ってみたら、久しぶりに、チェックが入ってしまった(笑)。
新聞社側の校閲(あぁ、なつかしい)で、
タイトル文字よりキャッチフレーズが大きな文字ではいけない
ということだそうであります。
原稿構想の段階では、右側の文字「見て見て・・・」という方を
大きくしていたんですね。
率直に申し訳ありません、ということで、修正。
この原稿で、先週日曜日の朝刊に掲載されました。

文字だけの広告というのは、難しい部分もあるけれど、
表現を考えていくのは、やはり面白みがたっぷり。
まぁ、おじさん的な楽しみでしょうが、
さてどんな風に受け取られるだろうか、と
そこからも心配やら、なにくれとなく気になるものです。
いまはこんな本が出ているんだ、と
新聞の1面の広告、社会を知る一番わかりやすい窓、でもあります。
みなさん、気をつけてみていただきたいなぁと思う次第です。

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