本日は住宅企業各社への北海道・北総研からのお知らせNEWS。
<北総研正式名称:道総研建築研究本部・北方建築総合研究所
ちょっと長い(笑)。・・・地域総体で北海道が取り組んできた住宅性能向上の
地域の叡智を結集したシンクタンクです。長く北総研の名で知られる。>
わたしのブログでは数回「木の外壁で防火認定」という情報を発信してきました。
「え? 木の外壁なのに防火認定されるわけ?」
という素朴な疑問も湧いてくるけれど、日本の住宅性能革新をリードしてきた
北海道の住宅建築研究機構・北総研がこの防火認定申請を進めてきた。
そういうことなので、きわめて信頼できる情報であるワケです。
日本の「防火基準」というのはきわめて厳格性の高いものですが、
それは木造住宅が圧倒的多数を占めた江戸時代から、
繰り返しの大火や大地震由来の火災などで都市がなんども全消滅の危機に瀕し、
その都度、都市の再生を余儀なくされてきた歴史的経緯が背景にあります。
もっとも直近の全消失は東京大空襲、太平洋戦争の惨禍での東京消滅。
そこから「戦後復興」していくときに、防火という見果てぬ夢は建築制度に刻印された。
言い換えると日本の「お上」はひたすら燃えない都市を夢想してきた。
せっかくの公共事業・政府支出が灰になるのですからムリもない。
この制度的制約から、化学的「不燃建材」外壁材として
サイディングという世界的に珍しい日本的木造建築外皮が開発されたりもしてきた。
結果、そのサイディングがいわば常識的外壁材として流通してきた。
しかし、断熱の進化は外壁側での「付加断熱」の発達も促進してきた。
その付加断熱では「不燃」の基準をクリアさせることも可能になってきていた。
木造住宅でわれわれは民族DNA的に「木の外壁」に対してノスタルジックに
強いイメージを持っている。独特の表情、雰囲気があって日本的心象に似合う。
それが木の外壁下地で付加断熱されていれば不燃基準がクリアされるようになった。
その制度的担保組織として日本の住宅性能に独自な信頼感を持つ
北海道の北総研が声を上げたことで、
このごく自然な家づくりの志向性が現代で復興することになった。
高断熱高気密であって環境性能的に進化した木造住宅が
その外皮デザインでも、きわめて民族伝統的な意匠性で再登場したといえる。
ひとびとの深層のノスタルジーを刺激する「木の外壁の木造住宅」が
最先端の住宅性能をともなって再生したと言えるのだと思います。
このニュースを数回わたしのブログで取り上げたところ、
本州地域の広範な高性能住宅ビルダーから北総研に問い合わせも来たとのこと。
木の外壁の不燃化は、技術革新とデザイン性の両面で訴求力が高い。
とくに本州地域で高断熱ビルダーとしての信頼を得た地域工務店としては、
きわめて有用性の高いオリジナリティを訴求できる要素になる。
そういったことから、北総研では今回、WEBセミナーを開催し、
広範な住宅の作り手のみなさんへの情報拡散と、情報共有を目指しています。
北海道の家づくりのシンクタンクからの直接の情報発信が
多くのみなさんに広く受け止められることを期待しております。
「北総研2/9「木の防火外壁」WEBセミナー」要旨
●開催日時:令和3年2月9日(火)15:00~17:30
●開催方法:Web(ZOOM)
●参加料は無料
●内容
(1)北総研防火木外壁の概要について
(2)省令準耐火構造の概要とフラット35について
(3)道内の木質外装材について
(4)木質外装材のメンテナンスについて
(5)北総研防火木外壁の各構成部材の仕様範囲について
(6)省令準耐火構造の詳細と防火処置について
●申込締切:令和3年2月4日(木)
●申込先: nrb@hro.or.jp
●参加申込はこちらから
http://www.hro.or.jp/list/building/koho/event/event_r02.html
bouka_seminar02
<情報提供:北総研>
Posted on 1月 21st, 2021 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅性能・設備
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