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【北海道神宮本殿・屋根谷端部で氷柱発生(泣)】


この冬、わたしは朝散歩ずっと継続してきております。
例年は寒波厳しくなってくる、だいたい12月の声を聞くと
「もう寒いし・・・」とめげて弱音のままに散歩を休止していたのですが、
コロナ禍での健康維持作戦と考え、逆張り的なやる気が出たのか、
毎日朝早く、6時前に家を出て北海道神宮まで参拝がてら続いております。
さて、いつまでかなぁと思いつつ、距離的には毎日10,000歩程度。
で、気温は昨日朝6時過ぎでごらんの通り。

つい最近、年末ギリギリにはマイナス14度まで下がっていましたが、
このところはマイナス10度前後で推移しております。
これくらいまで低下すると、寒さというか、服装の厚みを直に感じる。
もちろん外皮側は、ダウンの上下なんですが、
輻射的に体温が奪われていく感じが強くて毛糸のセーター1枚では
やはり保温が心許ない。
アタマも毛糸の帽子では全然用を足さなくなって、ダウンのフードが必須。
コロナ禍でのマスクもこういう状況では、防寒の一種に変貌する。
ただ、10,000歩近く歩くとさすがに息でビショビショ。
こういう防寒対策と寒さの容赦無さでかえって雑念は消え失せて
ひたすら歩くことに集中できるのであります。
一種の行者の心境、無念無想に近い心理でほぼ考えることはしない。

北海道神宮社殿は日本古来の神社建築なので、
屋根なども、雪や寒さに対しては防備があまり考えられていない。
落雪が前提の三角屋根が基本でそのために落雪用スペースは考えられている。
しかし神社として「無落雪屋根」デザインというわけにはいかない。
北国住宅の歴史では三角屋根が合流する地点、
いわゆる「谷部」については、非常に悩ましい問題としてきた。
できればそういうデザインは避けるべきである、という考えが北海道住宅の常識。
三角屋根であれば、きれいな切妻が望ましいとされてきた。
雪が滑落していくときに、どうしても谷部に集中して
それが一気に全部落ちればいいけれど、どうしても滞留して
日中の気温上昇でそれが融雪し、谷部端部軒先で氷柱になりやすい。
それが通行人に危害を加えたり、どんどん成長して巨大化することもある。
そういう残念な事態が、ちょうどいま、北海道神宮の本殿で起こってしまっている。
まぁ、そのうちに巨大化する前に、参拝者の危険にならないよう、
氷柱は除去されると思いますが、建築的には神社建築のフォルムを優先すると
なかなか解決困難な事態であるのです。
まぁ、方向としては、参拝者にまっすぐ向いているのではなく、
空地も確保している場所なので、危険性は少なくはありますが、
もし一般住宅でこういった氷柱ができて、それが歩道に面していれば
万一の危険、その責任の所在追及ということも免れない。
北海道神宮ではほかにも数カ所、氷柱や屋根融雪水の処理の仕方で
考えさせられる部位も散見される箇所があります。
日本古来の伝統建築デザインを、この気候風土でどう合致させるのか、
北国的常識をいかに普遍化させるかは、まだまだ道半ばといえるでしょうね。

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