さて、特集的に論評風取材記事として北総研のWEBセミナー内容紹介最終回。
さまざまな「課題の先進地」ぶりが摘出されたのですが、
2045年で400万人人口というのは確率性の高い北海道の近未来。
親の代から事業を営んでいて北海道内の各地で展開している友人は
どのように生き延びていくか、目の黒いうちに筋道を立てたいと頑張っている。
放っておけば、単純な「市場縮小」があらゆる業界を襲って
既存のほぼすべての「地域企業」には厳しい道が待ち構えていることは疑いない。
ペシミスティックな社会趨勢こそは確率の高い未来予測でしょう。
そういう近未来に対して、ちょっと前までは旺盛なインバウンド需要が
人口減少の痛みをやわらげるカンフルのように働いていたけれど、
そこに新型コロナの大津波が押し寄せて、まだ終息の気配も薄い。
ガソリンスタンド業界などではEV化、ハイブリッド化の波で業界そのものも
姿を消すような流れも強まってきている。
変化の速度はなだらかとは言っても、やはり右肩下がりの事業環境は
とくに地方中小企業には過酷な事業環境として姿を露わにすることは確実。
このことは地域企業だけに留まらず、地域自治体にとっても条件は同じ。
先日触れた、人口増大期に野放図に拡大した市街地域のインフラ維持危機から
公共サービスの維持リソースを極限的に縮小せざるを得ない。
地域の税収は人口減少から当然のように厳しくなっていって、
道路維持、水道維持、学校保育園など教育や福祉の維持も困難になる。
そういうなかで、こういった分野に民間活力が求められるのではないかという
「処方箋」提案がされていた。上の図はそういう民間活力として
「まちまかない」という事業エリア概念で公共サービスの外注先としての
コンパクトビジネスの可能性探究提案がなされていた次第。
で、わたし的には前期高齢者層の活躍機会創出もあり得ると考えています。
前に触れたように75才までの前期高齢者層の健康度は高い。
要介護率はおおむね10%程度と低いレベルに留まっている。
そういった年代層は社会キャリアも豊富に持っていて、有用な戦力といえる。
人口構成比でもかなりウェートが高くなり健康度も高い。
そういった子育て経験も当然もった人たちに「子育て・保育」という
社会的サービス業の受け皿を想定するのは、おかしいだろうか?
前期高齢者男女からの愛情は、子どもたちにも素晴らしい環境の可能性。
また、ある断熱材メーカーのOBは、親の田畑を受け継いで
食料生産に取り組んでいるけれど、野外作業で足腰も鍛錬することで
健康寿命はより前向きな進展があり得ると思える。
後期高齢者年代になっても健康維持し続けられるので「生涯現役」層は
増えていく可能性がある。またそういう年代者の「終の住み処」として
「日本の魅力」要素がきわめて高い地方は活力を維持し発展パワーを持てる。
昨年度まで年間で1,000万人近くが訪日していた中国の人たちには
日本の田舎への強いシンパシーが育っているとされている。
人口減少は同時に日本人の知恵と工夫が試される局面ではないだろうか?
Posted on 10月 23rd, 2020 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 日本社会・文化研究
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