本文へジャンプ

【冬の散歩道の「メム」 札幌の豊かな伏流水系】


ここのところ、ワンテーマ的に明治初年の北海道住宅始原期への
過去探索を続けてきておりますが、本日はちょっと小休止。
ブログという形式の特徴として毎日適度な分量を書けるので、
ワンテーマを継続探究することはやりやすい環境条件だなぁと実感。
SNS情報交流というまったく経験したことのない人間環境も
知人のみなさんとの「共同作業」的な対話を構築できる。
きっとこうした試みはかなり多く実践されているのではと思います。

さて季節はどんどん過ぎてきて師走まっ盛り。
年末進行の出版作業も進行していた雑誌類が製本仕上がりラッシュ。
ということでやや一段落、すっかりサボっていた散歩を
思い立ってここ数日、再開しております。
わたしの散歩コースは北海道神宮境内から円山公園周辺。
リスたちは雪の少ない残りわずかなこの時期、あちこちで出没。
必ず寄り道する写真の池ではすっかり冬毛に覆われたカモたちが
なかば氷結した水面で群れている。ポーズを取ってくれた(笑)。
この池はアイヌ語のメム〜「湧き出る泉」の造形。好きな語感。
札幌という地域は、豊平川水系をはじめとした
周辺山岳に水源をもつ河川が複数扇状地を形成したエリア。
札幌市内中心部を流れる豊平川の豊富な水の一部はいったん
藻岩山突端部の軍艦岬と呼ばれるあたりで地下にもぐるために
札幌の地下には豊富な水脈がある。
北海道庁、植物園、北大構内にある池などがメムの名残り。
世界の言語でも似た語感の単語が「水」に対して与えられるとされる。
下の写真は北大構内に残るメム。豊かな水量に驚かされます。
そういえば、この近辺に開拓使の協力者・琴似又一が明治初年期の
アイヌの長として、この場所近くでコタン集落を作り定住していた。
かれらにとって命の水であったに違いない。
さらに始原期の札幌は小鳥の鳴き声が賑やかな土地だったとされる。
鳥たちにとっても緑の中にメムが点在する環境は生きやすいのでしょう。
小鳥が多い場所は大きな都市ができるという「都市伝説」も。

ときどきこういう繰り返しのフィールド学習は執筆作業にも欠かせない。
久しぶりに身体を動かすと身体機能が目覚めてくる感覚がある。
いわゆる「バランス感覚」もこういうカラダの平衡感覚が基本。

ということですが、やはりいまのテーマからか、
神宮境内の「開拓神社」の祭神名を見ると、
よく名前を書く黒田清隆、島義勇、岩村通俊などの名が刻まれている。
馴染みが深くなってきて、とても他人とは思えなくなっている(笑)。
無言の叱咤を感じる次第であります。合掌。

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.