本文へジャンプ

【建築の祖形からの叫び声】


2日間、仙台オフィスの環境メンテナンスの用があって往復した。
で、片づいたあと、知人の水害の様子を見舞ってきた。
まことに堤防決壊の爪痕はおそろしい。
仙台市北方の吉田川近辺なのですが、その帰り道、
無性に気になって写真のような「農業倉庫」建築に吸い寄せられた。
この周辺にはなんどか取材などの用事があって
クルマを走らせているのだけれど、
なぜなのか、不思議にこころが吸い寄せられてしまう「祖形」。
簡素な切妻、たぶん農業倉庫なのだろうと思われる用途建築。
屋根がやや大きく掛けられているのは、
ひょっとして何度かの補強工事の結果であるのかも知れない。
構造は素朴そのものの建て方で、ただ、素材の木材の表情は
年月をそのまま刻んでいるかのように経年美をみせている。
吸い寄せられたのはたぶんその立地が高台にあって、
矩勾配の屋根面が「仰ぎ見る」ようになっていることで、
ある初源的な建築の美感のところにさわったのでしょうね。
思わず、その「横顔」にも目が向いてしまって
2枚目の写真、シャッターを押していた。
水平と垂直を修正しているのですが

野の花の美しさにも似た、その祖形美にうたれていた。
住宅や建築を見続ける長い旅をしている気がする。

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.