北海道はZEHについては後進地域といえるでしょう。
最近はあまり統計データなども参照しなくなりましたが、
やはり積雪寒冷という条件から躊躇するひとは多い。
冬の間は、屋根の雪のことが最大の心配事という地域性では
ユーザー心理的にも、その上心配のタネを背負い込みたくない心理が強い。
そうでなくても北海道の家では積雪荷重を考えた構造の負担があり、
雪の処理の仕方についても、落とす敷地が狭くなってきて
無落雪タイプの屋根選択が多くなってきた流れがある。
しかしこういった北国人の心理的負担感は実はある意味では杞憂ともいえる。
北国住宅が克服してきた「課題解決力」からすれば、
十分に対応可能な条件であり、ユーザーのメリットをきちんと確保することが出来る。
なんといっても売電を計算に入れられる生活コストメリットは大きい。
そのようなユーザーメリットを活用している地域工務店の代表とされるのが
札幌近郊・恵庭のキクザワさん。
高い性能的技術力を背景に、北国での太陽光発電に積極的に取り組み、
ユーザーにとって経済的メリットが大きい太陽光発電住宅の先端を走っている。
写真は今回の住宅見学で披露されていたモデル住宅。
ゆったりとした片流れだけれど、車庫も組み込みさらに中庭も組込むことで、
生活デザイン的な開放感を実現させると同時に
大きな屋根面積を確保して、合計14kの太陽光を搭載している。
比較的に敷地条件にゆとりのある北海道のメリットを活かせば、
こういった「賢い生活設計」可能な住宅をユーザーに提供できる。
そもそも住宅性能の進化は、よりあたたかくということはもちろんだけれど、
暖房のコストを下げるという大目的から支持されてきた。
そういった技術を使えば、鬼に金棒的にくらしにゆとりを生み出せる。
コスパ的には売電の価格が変動するけれど、
自家使用分の電力を確保した上で、現状でも10年以内程度で償却可能。
最近、北海道住宅の始原期、明治維新直後のさっぽろ住宅事始め
みたいな歴史探究を始めていますが、
開拓使でも当時の住宅資金としては破格の「家作料」補助という施策を
行っている事実が発掘できてきた。
この制度は明治3年頃から明治6年頃まで短期間、実施されたようですが、
その状況をつぶさに見ていると、民の側としては大いに活用すべきだと。
当時のお金で100円というお金が貸し付けられたのですが、
たぶん住宅資金の1/3相当のお金が「ゆるめに」貸し出されている(笑)。
その当時の世相状況などを見ていると、これは大いに役立っている。
今日でいえばこの太陽光のシステムということになるでしょうね。
大手住宅メーカーの戦略競争でも、
この対応の差で大きく企業業績に違いが出てきています。
ユーザーとしては賢く、しっかり活用するべきでしょうね。
Posted on 10月 10th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング, 住宅性能・設備
コメントを投稿
「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」
You must be logged in to post a comment.