さてふたたび、里山住宅博TUKUBA住宅見学編です。
バンガード(先進的・先導的)ハウスとしての堀部安嗣さんと伊礼智さんの
住宅2例をじっくり見学して、ほかはあまりしっかりは見学できなかった。
まぁ短時間、3〜4時間では全部で20棟以上ある住宅を
全部確認するのはムリがありますね。
つくばということで、小玉裕一郎さんの住宅には注目していたのですが、
まだ設計図面段階ということで残念でした。
で、もうひとり、つくばということで注目していたのは
安藤邦博さんの「板倉工法」関係の動きであります。
安藤さんはいわきに建てられた木造応急仮設住宅の板倉工法住宅を
当社が発行した東北の住宅復興ボランティア雑誌で取材して
取り上げさせていただいた経緯があります。
安藤先生は筑波大学で建築を教えられていた存在であり、
東大の内田祥哉先生の教え子でもあって、
室蘭工大名誉教授の鎌田紀彦先生ともつながりがある存在。
取材していて、そういった背景も聞いていて、この板倉工法に
強い興味を持っていた次第です。
今回の里山住宅博では、けんちく工房邑さんが板倉工法の家を展示。
写真は下の2枚ですが、なんと住宅博会場に隣接して、
安藤さんが関与する里山建築研究所が設計した板倉工法の賃貸住宅が
目を引くように建てられていました。(上の写真)
見ようによっては、この建物もコンセプト的には展示のひとつとも感じた。
板倉工法は、正倉院の「校倉」の原型といえる建て方で、
正倉院は三角の断面の端をさらにカットした6角形ログ材を
組み上げて造作している建築ですが、板倉は柱に欠き込みを3cmほど作り
そこに同じ厚みの木の板を「落とし込み」壁とする工法。
けんちく工房邑さんは、この板倉工法のエバンジョリストとして
里山住宅博に出展されているとのことでした。
計画中に施主さんが付くことになり、広大な土間床の玄関など、
オモシロい住宅として展示されていました。
板倉は,構造がそのまま仕上げに納められる工法でまことに直感的。
非常に伝統的で非大量生産的な志向を感じる工法ですが、
この写真のように賃貸住宅の工法として採用され、
しかもいまは全戸入居済みという人気ぶりなんだとか。
写真のように板倉素地の壁は内壁側で露出していますが、
まことに正直な工法で、インテリアとして質感がすばらしい。
なつかしいとともに、地域の中でのあらたな発展のカタチを見た思いです。
Posted on 7月 16th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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