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【竹による構造 ベトナムのリゾート建築】


きのうまで2日間にわたって東北フォーラムなど全国から
住宅研究組織による「合同研究会」が札幌で開催。
北海道・ソトダン21、岩手住環境、信州SAHという
比較的「寒冷地」のみなさんが集合して、研究者・実践者が
それぞれの知見を交換し、情報交流するものです。
今回は基本的には「全館空調」の流行現象を捉えて、
それへの意見交換が主たるテーマでした。
北海道はずっと「全室暖房〜家中温度差のない家」を目標としてきたので
突然のように「全館空調」と強調されると寝耳に水感があります。
どうもある住宅メーカーが「差別化」として大きく取り上げたことが
ユーザーに「刺さった」現実があって、
一種のブームのようになっているのかも知れませんね。
わたし的にはそういう「ユーザー反応」の方が研究解析するべきと
思っていますが、研究会では正面からその問題点などが
真摯に論議されていた。また、機会を見てそのあたりはまとめてみたい。

で、本日はその研究会で前橋工業大学・石川恒夫教授から
発表されていた件の建築に興味を持ったのです。
先生はバウビオロギー運動に参加されていることで、
最近ベトナムで開かれた集会に参加されたなかでの建築見学の様子。
ちなみにバウビオロギーとは
「人間と自然に適合した理性ある建築」ということです。
コトバ自体、ドイツ語の造語でそういった流れの世界的運動。
ということで、竹の構造建築であります。
先生に若干ヒアリングしたのですが、
なんでもこの建築はベトナム中部にある超高級リゾートホテル。
現地の平均的月給の3倍の宿泊料金(1泊)というもの。
設計者は東大でも学ばれて、ベトナムに帰ってからは、
かの国で豊富な資源としての竹に着目して、その「構造建材」としての
活用を一生懸命に追求されているとされていました。
ベトナムではこうした使用方法、仕上げ方法で建築法に合致しているとのこと。
竹は集合的に組み上げているし、構造曲線的には
このような「柱」は仙台メディアテークなどでも既視感がある。
そしてなにより、外観写真を確認すると屋根が草屋根になっている。
「軽い」荷重を前提にした構造なのだろうとは思うのですが、
しかしその草屋根も「雨期」には大量に水分を堆積する。
そのあたりの計算はどうなるのかなどと、内心考えていました。
しかし、デザインとしてみれば、かなり魅力的なフォルム。
また、バウビオロギーっぽいとは言えますね。
今後、南の方も要チェックだと思わされました。

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