山形であります、そばであります(笑)。
わたし、山形蕎麦との出会いはけっこう衝撃的で
はじめて山形を訪れたとき、昼食にある企業の社長さんに連れ出され
どこへ行くのかと農村風景の中を走って、とある農家に入った。
とくに看板の類もなく、社長さんは囲炉裏端に腰を下ろした。
やむなくわたしも追随して腰を下ろした。
それからやや経ってから、老婆が腰をかがめながらやってきた。
二言三言、社長とぼそぼそと話した後、
去って行ってそれからやってきたのが、「板そば」だった。
そこに漬物の類が数種類置かれて添えられていた。
わたしは、蕎麦というと東京での蕎麦体験がいちばん多かったので、
ほとんどノドで味わうというような食べ方が身についていた。
しかし、置かれた板そばはハンパないほどの分量に見えた。
ちょっと気が遠くなるような気分になって箸を運んだ。
おお、であります。
汁にちょこっとつけて一気につるつる、という具合ではない。
なんといっても、歯応えがしっかりしていて、
咬むほどの固さがあって、もぐもぐすると口の中で蕎麦が
独特の味わいの深みを演出してくる。
なにやら、どこそこの土地の質感が伝わってくるかのようだった。
そこに合いの手で漬物が、口中をさっぱりさせる。
さっき感じた土地の感じとはいったいどこのことなのか、
というなにかの探究心、探訪心のような心理で箸を進める。
わからない、見たことのない土地感覚だと知れる。
それにしてもこの板そばの分量には圧倒されていた、けれど、
徐々にそれが少なくなっていくほどに、
むしろ別れの切なさが募ってくるように思われてくる。
漬物も残り少なくなっていって、哀愁が襲ってくる・・・。
っていうような出会いでありました(笑)。
最近、ちょこちょことお邪魔する機会ができてきて、
先日街中のお店で「板そば」さんと再会であります。
今回はまことに味のかおり(ヘンな言い方ですが)に特徴を感じた。
なんと言えばいいのか、歯で感じる風合いとでもいえるのか。
聞いたら山形を代表するそばの品種「でわかおり」なんだそうです。
いやはや、奥行きのある味わいで圧倒されていました。
ということで、本日は住宅ネタはひと休みでありました(笑)。
あした以降、またマジメに住宅ネタに復帰します!
Posted on 3月 9th, 2019 by 三木 奎吾
Filed under: おとこの料理&食
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