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葦簀、棟札の外人住宅

先日の「藁の家」の続編であります。
外壁側では、藁に左官塗り壁するには、かなり重厚で
しかも材質も工夫した土を塗らねばならず、
結局はプロの左官職人さんに頼んでいたわけですが、
内部の壁では、藁のブロックにそのまま土を塗って
素人で仕上げていました。
なんですが、写真は2階屋根成り天井の様子です。
構造は丸太組ログハウスで、新しい材料のほかに
どこから仕入れてきたモノか、
建築廃材とおぼしき古材が使われております。
ところどころにかき込みがあったりして、
素性が知られるわけですね。
欧米人のセルフビルドの伝統って言うか、
そういうモノへのこだわりって、実にたくましいモノがある。
天井には、なんと、日本家屋ではほとんど使われなくなった
「葦簀」が一面に張られていまして、
外人住宅なのに、日本的情緒を醸し出している。
また、力強い木組みそのままに表された小屋組に目をこらすと、
なんと、棟札まで張られているではありませんか(笑)。
日本の建築文化伝統に対する敬意をそのように表現したものか、
まことに礼儀正しきものづくりへの畏敬の念を感じさせられます。
いや、参りましたね(笑)。
でも普通は、柱に貼られているはずだと思うのですが、
そのあたりは文化の違いなのかも知れませんね(笑)。

しかし、こういう空間構想力、
さすがによくやるものであります。
友人に、イギリスから来た広告マンがおりまして、
かれも札幌近郊でセルフビルドの家を建てていましたが、
建築材料に対する、そのコストと、真贋性に対する感覚は
まことにホンモノの感受性を感じさせられます。
床柱とか、美しい伝統的建具とか、
日本人が「古いモノだから・・・」と投げ捨てるようなモノで
しかし、素性は紛れもないホンモノっていうものを
慧眼鋭く、しかもタダ同然でかれらは入手していく。
明治の初年に、広重とか北斎の絵画が
大量に、タダ同然で海外に流失していったのですが
そういうことも、さりありなんと思えますね。
アングロサクソン系の、そのあたりの抜け目なさは
まことにみごとなモノと感心いたします。

北のくらしデザインセンター
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