本文へジャンプ

【27年間連れ添っている階段収納】

家具って、現代生活ではどういった位置付けなのか、
いわゆる「一生モノ」という概念がまだ生き続けているのか不明。
花嫁タンスという習慣も薄らいでいることは間違いない。
今回自分自身で住まいと仕事環境の再構築をしてみて
そもそも現代ではモノとの関係性が大きく変化していると実感。
モノの価値感、位置付けがそれまでの社会とは一変している。
いわゆる花嫁タンスというのは、収容物としてよそ行き衣類、
和服セットのようなものが想定されているのでしょう。
しかしウチのカミさんの例で言うと、
礼装的な機会でも基本的に洋装で対応してきたので、
一応持っている和服を着るような機会は生涯ほとんどなかった。
和服のための収納装置を考えたし、利用もしてきたけれど、
ほとんどそれを着ることはなかった。
いわばタンスの肥やし。一生モノと言ってもほとんど使わなかった。
生活合理主義で考えれば、まったくムダだったとなる。
家具類の主要目的である「一生モノ」という概念は大きく揺らいでいる。

一方で注文住宅文化が根付いてきたなかで、
「造作家具」というものは多数作ってきた。
既製品ではない、利用用途に特化してなおオリジナルな
デザイン家具類をいろいろに作ってきた。
この写真の「階段収納」はその代表的存在。
わが家の居間に端座して日用の品々の利用収納に応えてくれた。
こういう「家具」では、その中身の収納物も含めて
たくさん「考えてきた」分だけ、利用頻度も高く、
またデザインへのこだわりもあって、「愛着」感がハンパない。
半分は逸品制作物・芸術品的な嗜好性を感じている。
今回の引っ越し作業でこいつをどうしても宅内移動できなかったので、
逆に建物の方に造作変更をかけて移動可能なようにしたほど。
いくつかデザイン性のいい既成品家具も購入して持っていたけれど、
今回の環境変化でようやく「もっと使わなければ」と思う程度。
今後どれだけの活躍をしてくれるのかまったく未知数。
現代でのモノと人間の「愛着」の関係では
もっと身近なパソコンやスマホ端末などの方がむしろ有力対象でしょうね。
どんな環境になっても、愛機のMacBookはたぶんずっと連れ添っていく、
バーチャルな「使用感」を含め「家具」的愛着を感じていると思う。
この分では家族に棺桶にも入れてと頼むかも(笑)。
世代更新が進んでいって家具概念がどう変容していくか、
見通しの利きにくい時代だと思います。

コメントを投稿

「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」

You must be logged in to post a comment.