きのうはPVソーラーハウス協会20周年の特別総会in札幌。
全国から90名以上の参加での住宅見学会+セミナー。
写真はそのなかの住宅見学会のワンシーンであります。
札幌は年間積雪が6mという豪雪地帯。
そういう地域環境のなかで生活基盤としての「除排雪」は欠かせない地域。
札幌市の平成28年度決算では、この支出項目で226億円弱。
年度予算・決算総額は9,796億円なので、2%以上を占めている。
将来とも、自動車の交通確保は欠かせない「都市インフラ」でしょうから、
その負担は覚悟し続けていかなければならない。
そうした公共道路へのアクセスまでの自分自身の土地のなかでの
除排雪は、個人負担として努力し続けなければならない。
そして高齢化社会はどんどんと進展していく。
社会的にはこうした多雪地域では、戸建てとマンションとのトレードの
現実的要因になっていくことも避けられない。
「年取ったら、雪かき、面倒だから」ということになるのですね。
この問題について、一時期は石油や電気など熱源を消費しての
「ロードヒーティング」が一般家庭にまで普及した。
しかし、それは格安な石油価格に支えられた一過性の社会現象だった。
やはり社会全体のコストとして家庭内敷地の雪対策は
寒冷地の将来の大きな課題であることは避けられない。
そういったニーズ対応として、この作戦には希望を持った。
これは玄関から車庫スペースまでの間の通路部分に施されたもの。
他のスペースとはまったく違って雪がきれいに除去されている。
「これ、どうやっているの?」と聞いたら、
表面を覆っているシートは除草用の皮膜シートで、
その下には砂利が敷き詰められているということでした。
砂利は石であり、雪を融かす「蓄熱性」があるけれどそのままでは、
雪が空隙部分に入り込んでそれが凍結して、太陽熱が融かすよりも
優位になってしまって、融雪機能はあまり期待できない。
けれどこのように「黒い」皮膜を張ると、蓄熱・融雪性が期待できる。
この除草皮膜は黒いので太陽光の蓄熱と相性が良いのでしょう。
また、雪かき作業の時の地盤面としての平滑性が確保でき、
ママさんダンプやラッセルの作業効率が向上する利点がある。
砂利の凸凹がなくなって、雪塊を軽く滑らせることが出来るのですね。
設置コスト的には、砂利と皮膜敷設だけ。
砂利はどうせ「犬走り」にも敷設するから埋め込み設置は容易。
わたしのような「生活者目線」的にはすばらしい知恵だと思わされました。
欠点としては、ワンシーズン程度でこの皮膜の耐久性が尽きる点。
上下からの物理損傷要因で皮膜が破れるのだそうです。
しかし、この皮膜の値段はごくわずかで済むそうですから、
(この製品価格は聞き漏らした、「安っすい」ということ)
たとえワンシーズンごとに張り替えたとしても、DIYで各自がやれそう。
なかなか良いアイデアだと感心して見ておりました。
今後、もうちょっとこの「装置」を調べていきたいと思っております。
Posted on 2月 21st, 2018 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
コメントを投稿
「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」
You must be logged in to post a comment.