きのうは千葉県の九十九里に近い、東金で取材。
札幌から来ると、ほとんど真夏に近い日射を感じます。
気温は12時くらいで20度ほどだったのですが、
体感としては非常に厳しい熱射を感じます。
こういった体感できるレベルでの気候条件の分析のようなことが
地域地域で必要ではないかと思うところです。
で、やはり、こういう地域では日射遮蔽と言うことが
最低限の住宅性能要件ではないかと思われます。
伝統的な建てられ方をしている武家屋敷とおぼしき街並みも見られましたが、
そういった街並みでは、深い軒の出が日射しを遮っています。
建物も長屋門や塀、といった主屋以外の要素もあり、
それぞれで陰影を作りだしていて
全体として、白っぽい印象がない。
なんといっても、植栽が重厚に植え込まれていて
照り返しの屋根の瓦のきらびやかさと好一対になっていて
まことに気候風土を知り尽くしていると感じられる。
ひるがえって、最近建てられているというか、
たぶん、戦後の高度成長期以降に建てられたとおぼしき建物は
屋根の軒の出はもちろんなく、窓辺に表情を付けるような庇もない。
外壁はなにひとつ守る素材もなく、日ざらし、雨ざらし、
といっていいような状態に放置されている。
そういう建物では、住み手が厚くブラインドやカーテンを閉め切って
本能的に日射遮蔽を行おうとしているけれど、
ほぼ無防備な窓面からは容赦なく熱が降り注いでいる。
やはり、こういった日射の厳しい地域では
建築の側は、相当目的的に陰影感を心がける必要があるのではないか。
なぜ、日本の建築から
こういう日射遮蔽の要素がきれいさっぱりと抜け落ちていったのか、
本当に悲惨な気持ちを持たざるを得ませんね。
古い年代から受け継がれてきた建築がむしろ現代的で
しかも優れて機能的で、
一方、現代量産されている建物の多くが非常に陳腐。
しかし、そういう現実の中でも
きちんと、日射遮蔽や断熱を考えて家づくりを行っているビルダーも存在します。
そしてそういう作り手に支持を与えるユーザーも存在する。
なんとかこういった部分に支持が広がっていくように
なっていかなければならないなぁと、
そんな思いをずっと抱き続けていた次第です。
<写真は約100万都市千葉市内モノレール>
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Posted on 5月 9th, 2010 by replanmin
Filed under: 住宅取材&ウラ話
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