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【投資金額超の中古住宅価格の実現には?】


一昨日のPHIJPの様子について、いろいろ反響が寄せられています。
工法というか、米国での「住宅改修」4要件の「連続性」について
興味を持たれるケースが多いようです。
とくに「気密の連続」という点では多くの意見が書き込まれています。
欧米では日本とはやや違っているようにいつも感じているポイント。

なんですが、わたし的にはユーザー側目線重視なので、
海外、とくにアメリカでの中古住宅市場についての興味が旺盛であります。
よく言われるようにアメリカでは住宅は「普通」その投資金額を上回って
中古住宅として売買が成立しているマーケット。
30万ドルで購入した住宅は、ふつう30万ドル程度で再販売されていく。
ここで持ち主が投資金額以下に「損する」というケースはむしろレアとされる。
それに対して日本では「普通」30万ドル・3000万円投資して得た
住宅が十数年後には、15万ドル・1500万円以下でしか売却できない。
日本のこの「常識」は世界的には「非常識」。
このことに対して海外の方は驚き、日本の不動産購入をためらうという。
わたし的にはこの現実をなんとかしたいというのが、
今後の大きなテーマになってくると思っています。
日本の中古住宅市場が「投資するに足る」ものに変わっていくことは、
中長期的に日本が経済的に繁栄し続けていくためには欠かせない条件。
海外からの「健全な不動産投資」があれば、日本の地盤沈下は避けられる。
不動産以外の、政治的安定性とか生活文化総体としての魅力は
世界の中でも最高位に位置するのが日本だと思います。
空前の海外からの観光需要は、飛行機移動の世界的な低価格化と
長期にわたる円安傾向の大きなメリットだと思います。
このふたつの要因は、日本の少子高齢化社会にとって
欠かせない「突破要因」を作っていく可能性が高い。
加えて日本社会の中で、不動産のこの現状が改革されれば、
反映する東アジアでも宝石のような位置を占め続けることが可能。
歴史伝統要因では長期にわたっての平和的継続性があったことで、
古くからの伝統文化が数千年単位で保持されているのが日本の最大資産。
奈良の大仏に蝟集している中国のみなさんは、
多くの戦乱はあっても千年を超えてこういう宗教建築が永続していることが
奇跡的だと思っているのだろうと思います。
かの国は、繰り返し王朝が「全否定する革命」を繰り返してきたのでしょう。

ただ、不動産市場だけは日本はいびつになっている。
たぶん高度経済成長期に、土地価格が以上に膨張したことで
その上に建てられる建築への価値感に
民族ごとすっかり鈍感になってしまったのかも知れない。
日本社会で住宅投資することがそのまま資産形成になり、
30万ドルは換金可能な「資産」として3000万円相当であれば、
そこに大きな「安心感」が醸成され,善循環が生まれるだろうと思います。
そのために今回のアメリカからの情報をしっかり読み取っていきたいと思います。
写真下は、プレゼンで見せられたアメリカでの既存住宅への
「性能の数値ポイント化」のセールス的「可視化」データ。
アメリカでの現行住宅性能基準に対する
ある集合住宅地での各戸別の「エネルギー消費」割合数値のようでした。
性能要件を数値化して直感的に把握しやすくしている。
こういう数値把握をユーザーに示し、さらにデザイン要素で需要を喚起していく、
そういった不動産市場を、どうやったら日本で作れるか、
問題はそういうことではないかと思う次第です。

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