先日12月15日の読売新聞WEB版で注目の記事。
「縄文人」は独自進化したアジアの特異集団だった!
という考古学的な新説が発表されていた。
〜日本人のルーツの一つ「縄文人」は、きわめて古い時代に
他のアジア人集団から分かれ、独自に進化した特異な集団だったことが、
国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の斎藤 成也教授らのグループによる
縄文人の核DNA解析の結果わかった。〜という記事であります。
わたしたち、いま60代の人間にとっては、
古めかしい「原始共産制」思想というバカげたユートピアイメージに毒され
歴史というものの見方もかなり偏向していたと思う。
それに対していま、インターネットを初めとする知の拡散は、
こうしたバカげたイメージを粉砕し、リアリズムが貫徹してきている。
最近の現生人類の出アフリカ以降の足取り探求成果は目覚ましい。
そもそも出アフリカという人類史的エポックですら、
そこに赤道付近で地球史的火山大爆発による寒冷化が原因として
浮かび上がってきているようにも思われます。
わたしのテーマ領域、住宅についてもまずは、この寒冷化への対応で
衣類が人類に普遍化したという考えがあるように思う。
衣類を得て、世界の寒冷地帯への人類進出も可能になったのではないか。
そして、やはり寒冷化への対応が「家」というものを生み出した。
そのような経緯での人類のグレートジャーニーのなかで、
この記事中では、わたしたち日本人の祖先には最初期ほぼ4万年以前に
この列島に到達し独自進化してきたと考えられる縄文人があり、
かれらから受け継いだ現代日本人の遺伝情報は約12%とされています。
この縄文人のベースに対して弥生人が重なるように混淆し、
現代日本人が形成されたというように展開されている。
こうした縄文人のエコライフスタイルはその後、
日本列島の中で「海民」といわれる人々に生態風習が色濃く伝承したとされる。
さらに、敬愛するわが母校・札幌西高後輩の研究者・瀬川拓朗さんの
最新本「縄文の思想」でも、この海民と縄文人との関係が深く追究されている。
ひからびたマルクス主義的な歴史観が、どんどん破砕されてきている。
やはり、インターネットでの「知の進化・拡散」の破壊力はすごい。
老後の知的楽しみと思っていましたが、
いま、考古的領域の進化発展はすさまじいものがあって、
まことに目が離せないなぁと思わされますね。
Posted on 12月 23rd, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 歴史探訪
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