紙の本にしてトータル561ページの「人類史」ついに完読(泣)。
思えば2月19日、寒い秋田駅前からの飛行場へのバス停で
「まだ時間まで少しあるから、出直して」と親切にバス切符販売の方から言われて
しょがない、本屋さんで時間待ちするか、と飛び込んだ本屋さんで
ベストセラー、という案内POPが目に飛び込んで即購入してから、
本日早朝、5月9日までおおむね80日ほど、
細切れ時間をなんとかやり繰りし、寝床に入って読もうとして2〜3行で気絶という
繰り返す困難にもめげず、ようやくゴールラインを超えることができました。
この間、出張も5回ありまして、実質60日間くらいでしょうか。
だいたい、1日に10ページくらいのペースで読み進めたことになります。
白状すると、最初は紙の本を買ったのですが、
重たいし、携帯するのには困ると言うことで、電子本も購入しておりました。
電子形態になって、iPhoneやKindleをかわりばんこに読み進めることもできた。
ビジュアル主体の雑誌は別ですが、テキスト主体の単行本の場合には、
やはり現代生活では電子書籍の方が伸びていく可能性は高いでしょうね。
っていうのは余談ですが、
わたし的にはちょうど「人類史」というジャンル自体にも強く惹かれていたので、
この本はまことにタイムリーな出版でした。
全世界でベストセラーになったということで、
これまでの日本の歴史書にも大いに刺激になるのではないかと思いました。
この「サピエンス全史」では、何年になにがあったとか、
それを暗記しろととかいったまったくバカげた「歴史」は一切語られない。
そうなんですね、あんなバカげた「歴史教育」はありえない。
自分たちの既得権益を保護するために一般人を歴史を嫌いにさせて、
自分たちだけの安住の住み処を作るような、
そういった専門家(官僚化)によるエゴを、ああいった教育には感じさせられる。
そもそも人類進化とはなにか、という視点から人類7万年の歩みが語られる。
この著者あるいは訳者は「認知革命」というコトバを使っているけれど、
人類は、共同幻想ともいうべき「概念」を共有することができたという
そのことこそが「革命」であった、というスタンスを明示してくれる。
狩猟生活に於いて、より複雑な行動計画の立案・遂行から始まって、
より巨大な人間集団の成立・統御・運営が可能になったとされる。
そもそも「まつりごと」であるとか、宗教であるとかについて、
その起源とはなにか、ということに歴史家として本質に迫っている。
まぁこの「認知革命」というコトバ、最近欧米ではわりとポピュラーなようですが、
この本と出会うまで、それが人類史的な革命であったとまでは知り得なかった。
この考え方は物質的世界観ではなく、精神発展史としての人類史という
解明されてこなかった視点を鮮明に見せてくれる。
さらに、500年前からの科学革命というものの本質について
「われわれは無知なのだ」ということをスタートにしている、という慧眼。
たしかに多くの優れた科学者、日本学術会議会員の方からわたし自身も、
「まだまだわからないことだらけなんですよ」と言われたことを思い出した。
科学の本質がそこにある、そのことによってむしろ無限の可能性が開かれた、
という件には、まことに目からウロコの思いを抱かせられました。
以前読んだ、「人類史の中の定住革命」に継ぐ大きな気付きが得られた次第。
っていうことで、まだまだ読書感想、書きたいことは山ほどなんですが、
ようやく完読ということのご報告をさせていただきます、やった〜〜。
チョーうれしい(笑)。
Posted on 5月 9th, 2017 by 三木 奎吾
Filed under: 歴史探訪
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