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【住宅技術・人的交流仲介もメディアの役割】

2日間、既報のように東大名誉教授の難波和彦さんの
講演のアテンドから、懇親会での人の紹介、交友の促進など、
さらに翌日は若干の北海道住宅見学案内などをしていました。
これまではこうした「情報交流の仲立ち」は、
寒冷地条件に於いて大いに参考にできると考えられ、
住宅見学を強く希望される東北地域のみなさんが中心でしたが、
今回は東京、中央との情報交流というケースです。

考えてみると、従来こういった交流がそれほどなかったのは、
そういうことに意味がそう大きく感じられなかったことと、
仲介的な立場のメディアがなかったということがあるかも知れません。
たまたまわたしどもは東北でも事業展開していて、本州中央と
北海道の立場としてコミュニケーションを図れるスタンスがあります。
一方、本州中央の側でも「高断熱高気密」ということが
2020年の省エネ基準義務化を見据えて徐々に重要性が増してきて、
事実上、地域を挙げてそのことに取り組んできた北海道の知見への
注目度が高まってきているということかも知れません。
今回、たまたま機会が合致したこともありますが、
ある意味、中央そのものともいえる東大名誉教授の立場の難波さんが
北海道の工務店グループで講演を引き受けていただけたのも、
こういった状況が機会を作ったように思います。
総会という機会もあって地方行政から専門機関、研究者のみなさんなど、
多彩なそれこそオール北海道的な接近遭遇がありました。
で、きのうも北海道の現在の代表的な建築家・宮島豊氏も
難波さんにご紹介しました。
宮島氏はいま、北海道住宅の室内気候コントロール技術をベースに
さらに一歩進め、チーズやワインといった食品加工・家内制手工業という
北海道での6次産業ともいわれる「ものづくりと観光」的側面も持った、
あらたな領域にふさわしい建築の仕事に
できるだけ機械設備に依存しない「パッシブ」な環境制御技術を駆使して
取り組まれている様子も難波さんにされていました。
難波さんは工場施設の設計などもされていることから、
技術知見の交流はそのあたりからの切り口もあり得るのかもと、
そんな思いも持って話題を聞いておりました。

見学行脚を終えての帰り際、
「非常に濃厚な2日間」だったという難波さんのコトバがありましたが、
今後の北海道地域と本州中央との対話促進を
大いに計っていきたいという思いを強く持った次第です。
ご協力いただいたすべてのみなさんに感謝申し上げます。

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