きのうは早朝に札幌を出発して、東京ビッグサイトへ。
なんですが、飛行機の滑走路が1本閉鎖と言うことでやや時間遅れ。
10:30開始で「日本エコハウス大賞」の審査が始まっていましたが、
会場に着けたのは、11:10頃という遅刻ぶりです。
まぁ、どうしても「北海道は遠い」。
この「日本エコハウス大賞」を主催されている建築知識ビルダーズ
木藤編集長には、先般の新建築住宅特集「環境住宅」のときにお世話になって
強くお誘いいただいていたこともあり、またジャパンホームショーということで、
取材活動の一環で参加してきました。
賞の趣旨などにはまったく同意するところであり、
また前真之先生はじめ、審査に当たられている建築家のみなさんも、
日頃の活動など、大いに共感を感じている次第です。
大賞選考自体は、わたしどものReplan東北版でもよく取材している
設計島建築事務所さんがみごと大賞をゲットされました。
なんですが、残念ながら時間に間に合わず、設計者の
三浦正博さんのプレゼンテーションは聞いておりません(泣)。
発表されていた住宅については、配布の「抜き刷り」資料に詳細が出ていて
11月27日には「完全版」が建築知識ビルダーズさんから発売されるそうです。
ということで、宣伝協力しましたよ、木藤さん(笑)。
で、きょうの本題は会場で審査に当たった西方里見さんからの
「北海道からの応募参加がたいへん少なくて残念。ぜひ大いに」という発言。
まぁ、耳が痛いというか、木藤編集長からも言われていた件でした。
わたしは出版社ですので、その意味では言われてもしょうがないのですが、
確かにこういう賞の趣旨には賛同していながら、
どうも非協力的な地域であると言われても仕方ないと思えます。
ただ、やはり温度差もあり距離感もあるというのが、
北海道の作り手の実感だろうなと言うのも感じています。
端的に言って、賞のネーミング自体「日本エコハウス大賞」と
銘打たれているけれど、北海道の作り手の実感としては
「エコハウス」と意識して家を作っていないのが正直なところだろうと思います。
確かにエコハウスというコトバの規定要件の大部分は
熱性能的な部分であり、その要素技術についての地域的蓄積で
北海道は他地域とは比較にならないほどの積層を持っている。
さらにそういう「競争条件」の元で長年にわたっての市場熟成も出来ている。
したがって、賞というものが本来果たすべき社会的機能としての
達成されるべき水準への「啓蒙性」において、
その必要段階はすでに遙か以前に過ぎているというのが北海道的実感。
今の北海道の作り手たちが、こうした日本全体の賞を受けようとすると、
その要素技術を探求し格闘してきた多くの先人たちに対しても
臆してしまう、「俺でいいのか」と。
もっと言えば、中央の建築エスタブリッシュメントの側に対して
なぜ高断熱高気密技術に対してそれをまっとうに
評価してこなかったのかという気分が北海道にはどうしてもある。
まぁ、このあたりは「気分」であって、実態的とまでは言えないでしょうが。
ちょうど、選考者の伊礼さんが大賞の趣旨説明で述べていたとおり
「足るを知る」というような気分が、このことについてあるように思えます。
結局、北海道の作り手はいま、
個別の戸建て注文住宅という世界の中で、建て主のシアワセと
向き合って「普通に」丹念に作り続けているように思います。
主観的には「普通の家」であって、エコハウスと力んで作ってはいない。
どうもそういった相違が津軽海峡には横たわっているように思われます。
ただこのテーマ、わたしには深みがあって面白く、追究してみたい部分。
なので、これが結論だとも思ってはいません。
西方さんの提起を受けての「反応」です。
北海道も日本であるのに、ある時期まで「俺たちは所詮は外国なのさ」と
日本に対して無関心でもあったというのは事実なのですが、
でもこれからどうすべきなのか、示唆に富んでいると思いました。
Posted on 10月 28th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅マーケティング
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