きのうは初めての東京都内住宅取材でした。
これまでも都下町田市の取材はありましたが、本格的な都内住宅は初めて。
新宿区内の住宅だったのですが、
周辺は積層している住宅地で、重厚な街区を形成していました。
旗地で、私道を通っていかなければなりません。
で、やはり案の定、外観を撮ることが難しい敷地条件。
覚悟はしていましたが、なかなか一筋縄ではいかないですね。
しかし、そこは隣近所の関係がしっかりしていることから、
お願いして、ほかのお宅の敷地を使わせていただくことができまして、
無事に撮影することができました。
聞くと、お宅は築50年にもなる建て替え。
すっかり隣近所は仲良く住まわれている。
北海道の住宅地では考えられないような、近隣関係がきちんと存続している。
考えてみると住宅というのは、その周辺環境の中に永続的にたたずむものであり、
そういう環境の中のワンピースとして
存在し続けていくものですから、むしろこういった関係こそが重要。
よく、遠くの親戚よりも近くの隣人、という言い方がありますが、
日々の暮らしを考えれば、自明ですね。
そしてそのような関係が多様に成立していることが
よき住宅環境の最大要件であるのかも知れません。
さて、きのうは東京都内、気温も上昇して18度までありました。
わたしは札幌から、設計者は秋田県からという混成部隊でしたが、
こういうふうになると、着るものが間に合わない(笑)。
わたしは、猛吹雪の中を北海道から出てきたので
当然、ダウンジャケットを着込んでいる。
で、写真のような、春のごとき、っていうか、
北海道の現実から考えたら初夏のごとき、陽気の中にあるわけです。
まぁ、似合うわけがない。
さっそくカメラマンの車にしまわせていただいたのですが、
まことに日本の冬は所によって千変万化する。
北海道から来たら、その暖かさにびっくりするし、
一方、秋田県から来ると、その陽光のまぶしさに羨望せざるを得ない。
秋田は冬の日照が特異的に少ない地域としても有名なんですね。
しかし、そういう北国の家づくりの基本技術が、
このお宅のように、求められている部分は大きい。
お話を伺いながら、随所で室内環境の充実ぶりを再発見させられました。
こうした室内気候、とでも言える部分は、やはり実体験していただくしかない。
東京・関東地域のみなさんに大いに体験していただいて
その実感を大いに広めていって貰いたいものだと思います。
まぁ、しかし、寒椿やバラ科の植物なのか、
日射しの中で葉肉もつややかで、まことにうるわしいですね〜。
北のくらしデザインセンター
NPO住宅クレーム110番|イザというときに役立つ 住まいのQ&A
北海道・東北の住宅雑誌[Replan(リプラン)]|家づくり・住まいの相談・会社選び
Posted on 2月 10th, 2010 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
「秋田県から来ると、その陽光のまぶしさに羨望せざるを得ない。」の設計者です。東京は暖かいと思いコートを着ていかなかったのですが、それでも歩くと暑く上着を脱いでいる時間が長かったです。脱いだ上着を忘れない様に思っていたのですが、内ポケットに入れてあった携帯を落してしまいました。おかげでアイフォーンに変えることができました。
西方さん、ありがとうございました。
おかげさまで、それぞれ特徴的な取材ができました。本日は今度は札幌で熱環境のトップ研究者2名とインタビュー企画。頭のなかが、テーマで一杯で破裂しそうです。それなのに、もっとすごいことも起きて唖然呆然であります・・・。