今回の参議院選挙のプロセスでいちばん重要だった局面は
共産党政策委員長とかいう方が、
自衛隊予算に対して「人を殺すための予算」という発言をされたこと。
そしてその論議過程で、共産党にとってそもそも自衛隊は違憲であり
これは「解消すべき存在」であって、災害救助などの緊急の場合は
利用するけれど、正しくは憲法に対して違憲の存在であると、
明確に現状の「矛盾」を指摘したという点です。
この認識はある意味でまったく正しいと思います。
憲法の条文を正確に読めば、組織としての自衛隊はありえない。
現状の国のかたちは、いわばホンネと建て前の行使で
憲法より前提的に存在する、国とその民の「自然権」というもので、
わたしたちの社会は自衛隊という専守防衛の「軍事機構」を保持している。
この事実を共産党の発言は、露わにしたという意味を持っている。
しかしわたしたち日本人は、自分たちの暮らしを守り、
将来とも生き延び生存していくために、
民主主義を通して国のかたちをつくっていく権利を持っている。
むしろ、解消すべきなのは現実に合わない憲法の文言ではないか。
・・・これは危険で、おかしな考え方なのだろうか?
いま、朝日新聞によると以下の事態が進行中。要旨抜粋。
「陸自、邦人退避へ初の陸上輸送 南スーダンでの戦闘受け」
〜南スーダンの首都ジュバの治安が悪化していることを受け、
政府は11日、国家安全保障会議(NSC)を開き、
邦人の安全な退避に向けた対策を協議した。
現地の国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊による
邦人の陸上輸送を行うことや、航空自衛隊のC130輸送機派遣を決めた。
陸自がPKO協力法に基づき国外退避のための陸上輸送にあたるのは初めて。
南スーダンには陸自が駐留するほか、国際協力機構(JICA)関係者ら
約70人の日本人が滞在する。この人々をジュバの空港周辺に届けるため、
陸自の防弾仕様の輸送用車両に乗せ、前後を機関銃を搭載した
軽装甲機動車で挟み込むことを想定している。今回の陸上輸送は
PKO協力法に規定された任務。2013年のアルジェリア人質事件を受けて
成立した改正自衛隊法でも陸上輸送は可能だが、
今回は現地に自衛隊がいるため、PKO協力法で対応する。〜
朝日新聞としては、非常に冷静な事実への常識的な書き方。
テレビニュースを見ても、いま現地にいる日本人は市街戦が進行中の
首都のホテルなどから外出も出来ない状況だと伝えられている。
こうした救助活動を担う自衛隊に対して「違憲」であると
いったい誰が言えるのだろうか?
命がけにならざるを得ない状況での邦人救助の任務が
「違憲だけど緊急的に利用する」ものとして「命令」されてよいのだろうか?
民進党は「安倍政権」のもとでは憲法改正論議をしないと言っている。
しかし、その間にも危機は否応なくニッポン人に襲ってくる。
この「違憲」状態は、どう解消すべきなのか?
憲法を冷静に考え論議すべきことは、明らかな「民意」だと思われる。
Posted on 7月 12th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 状況・政治への発言
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