既報の通り、昨日札幌千歳空港を出発して
韓国建築事情視察の旅に出ております。
一行は北海道の高断熱高気密住宅を建て続けているみなさん。
現代と歴史年代の韓国建築、住宅文化をさぐり、
DNA的なものを感受しながら、日本の住宅にもインスピレーションを得たい、
というコンセプトでの企画であります。
韓国という国は、あまりにも近い国で、
また人間のDNAとしても、文化伝統としても、
ほとんど違いを感じない国。
実際に大韓航空便で大勢の韓国の人や中国の人と同行しても
どうも「違う国に行く」という実感を得られない。
千歳空港からのフライトも、3時間弱なので、
沖縄那覇に行くよりもはるかに近い。
ただし入国手続きは1時間近くかかってしまい、外国と実感するけれど(笑)。
しかし、東アジア圏は韓国や台湾、中国の経済発展のおかげで
広域的な人の交流が大変活発化していることを知らされますね。
やっぱりヨーロッパのように、イギリス・フランス・ドイツという
主要3カ国とほぼ似たような関係を念頭に置きながら、
考えていくべきなのだと思います。
ドメスティック産業である住宅建築の世界でも、
日本だけのサイズではなく、拡張したエリア感を持って
これからの時代は進んでいかなければならない。
さてきのうは、入国に時間がかかったものの、
そこから、ホテルチェックイン後、第1目的建築、
ザハ・ハディド DDP ソウル東大門を訪れることが出来ました。
2014年3月21日にソウルにオープンした
大型展示・商業施設「東大門デザインプラザ(DDP)」です。
この施設建築は、李氏朝鮮の王宮建築のひとつである
「東大門」地域に建てられている。以下Wikipedia抜粋。
東大門は興仁之門とも言われる国宝建築。
1396年(太祖5年)に初めて建てられ、1453年(端宗 元年)と
1869年(高宗6年)に修繕されている。王宮の出入り口である四大門の名前は
儒学の徳目である“仁義礼智信”から取ったが、
これにより東西南北の四大門は興仁之門、敦義門、崇礼門、粛靖門
(智の代わりに靖を使った)となった。なお、他の四大門の名前が
3字であるのに対し、興仁之門だけが4字となったが、
これは風水地理によると、ソウルの東の地気が弱いため、
その気を高めるため4字にしたとされる。
・・・という場所に建てられているのですが、
どっからどうみても、不時着した宇宙船という景観。
ここを見るにはやはり夜だろうと思った通り、
ときどき呼吸するかのように照明が点滅してくれて、異次元的美しさ。
日本の国立競技場建築がそうであったように、
「アンビルド」建築家らしく、当初の87億円の工費が
最終的には468億円まで膨らんでしまって、ごうごうたる非難だったとか。
傍目で見ても、アルミパネル4万5133枚の形状は、
相当に1枚1枚に違いがあるように見えました。
その施工に当たっては、気が遠くなるような厳密性が必要になるかも知れません。
エトランゼとしてのわれわれとしては、気楽に楽しめるわけですが、
周辺閑居や歴史性との調和とか、
今後、「愛されていく」のかどうかは、韓国のみなさんのテーマでしょうね。
遙かな後年、ザハ・ハディド建築を建てなかった日本と
なんとか建てた韓国で、どんな違いがあるのかないのか、
ちょっと興味深いテーマかも知れません。
Posted on 3月 8th, 2016 by 三木 奎吾
Filed under: 住宅取材&ウラ話
コメントを投稿
「※誹謗中傷や、悪意のある書き込み、営利目的などのコメントを防ぐために、投稿された全てのコメントは一時的に保留されますのでご了承ください。」
You must be logged in to post a comment.